本当に目立つアイキャッチパネルとは?
最近は展示会の装飾の専門企業も多く、そういった企業にパネルや装飾を発注する場合も多いでしょう。デザイナーが作成した、見栄えが良くて格好も良いパネルのデザインを見て大満足…となりそうなところですが、少し注意する必要があります。デザイン案を見ると見栄えがよいパネルであっても、展示会の来場者にとってよいパネルとは限らない場合があるからです。
パネルは大きく分けると「アイキャッチ用」「展示製品/サービスの説明用」「商談ブース用」の3つです。「アイキャッチ用」は、ブースの外からよく見えることで来場者に足を止めてもらうためのパネルのことです。
展示会には多種多様な企業が大量に出展していることが多く、そんな中でそのアイキャッチ用のパネルは本当に目立つでしょうか? 大切なことは来場者にとって、パッと目に飛び込んでくるパネルだということです。
来場者にとって目立つアイキャッチ用のパネルにするために、以下のような点に気を付けましょう。
- 外から見える位置にディスプレイするパネルは、数メートル先からでもキャッチコピーが見えるフォントにする(細かい文字では遠くから読むことはできない!)
- ブースの壁の色を意識し、目立つパネルの色にする(白い背景に白いパネルでは目立たない!)
- 文字ばかりにせず、目を引きやすい画像やイラストなどを配置する(情報量が多いと肝心なキャッチコピーが頭に入らない!)
- スポットライトを当てるなどしてディスプレイしたパネルの視認性を高める(派手な電飾などを飾りすぎるとかえってパネルが見づらくなることにも注意!)
発注する前に模造紙などでイメージを作り、それらを実際に壁に貼って遠くから見てみるのも確認の方法としては効果的です。パソコンのモニターで見ていたイメージと、実際に貼ったものを見みるのとでは、イメージが違って見える場合も多いものです。さらに、実際に来場者が歩く導線を想定した確認も大事なポイントとなります。
3秒で伝わるキャッチコピーを作る
パネルに載せるキャッチコピーを考える際に、大事なことは来場者の視点に立つことです。来場者はさまざまなブースを少し見ただけで、自分の興味関心があるブースかどうかを瞬時に判断します。そのために、3秒以内で伝わることを意識したキャッチフレーズを作成しましょう。
企業や商品、サービスの知名度が高い場合は、素直に企業名や商品、サービス名をパネルに記載してもよいでしょう。しかし、知名度がそれほどでもない場合には、それらがパネルに記載されていても来場者へのアピールにはなりません。その場合は「このブースでは何を展示しているのか」「自社の商品、サービスを使うことで何が達成できるのか」「このブースに立ち寄ることで、来場者にどんなメリットがあるのか」などをキャッチコピーで伝える必要があります。
また、幅広い来場者層に対してアピールしたい場合は、技術的/専門的な用語を避けるべきです。専門家にとっては日常的に使う言葉であっても、畑違いの人にとっては意味が分からないということは、しばしば起こります。逆に、ターゲットとなる来場者にだけ絞り込んで伝えたい場合は、あえて技術的/専門的な「キラーワード」を使ってアピールするのが効果的です。
また、「高品質」「便利」「効率的」「最高」などの曖昧な言葉を多用しているキャッチコピーも多く見受けられます。こういった言葉は、それだけでは何も伝えていないのと同じになってしまいますので、「どう高品質なのか?」「何が便利になるのか?」などの具体的な差別化要因もしっかりと記載するようにしましょう。
パネルの役割を意識しよう
前述の通り、パネルには「アイキャッチ用」「展示製品、サービスの説明用」「商談ブース用」の3つのパネルがありますが、このパネルのそれぞれの「役割」を意識してパネルを作成しましょう。
パネルは、「大きいパネル」から、「小さいパネル」の順に来場者の目に留まるようになっています。つまり、アイキャッチ用の「大きいパネル」で来場者の心をつかんでから、「(小さい)各個別のパネル」で商品やサービスを分かりやすく説明するという流れを意識することが大切です。来場者の目線や、各パネルの距離なども、パネルの役割を意識して決定していきましょう。
多くの来場者を獲得するためにパネルディスプレイにおいて大切なことは、「各パネルの役割を認識すること」と「来場者の目線を忘れないこと」です。パネルは、ブースの顔となる大事な要素です。この2つを常に頭に置きながら、パネルの作成とディスプレイをすることが来場者獲得への近道となるでしょう。