企画/運営から開催後のフォローアップ手法まで確実に成功に導くためのノウハウテクニック26選

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開催してよかったのか? セミナー効果はこうやって測定する

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多くの企業セミナーは、自社の業績への貢献を目的としているケースが少なくありません。そのようなセミナーの効果測定はどのように行えば良いのでしょうか。今回はセミナーの効果測定について解説します。

セミナーの効果測定の難しさ

セミナーの効果を見定めることは、ある意味では非常に難しいところがあります。その理由としては

  • セミナーはさまざまな目的で開催され、必ずしもそれぞれの目的に適切な成果基準があるとは限らない
  • セミナーはさまざまなマーケティングプロセス、セールスプロセス全体の一部として実施されるケースが多く、セミナー単独での成果を抽出するのが難しい
  • 成果が出るまでに長い期間を要する場合がある

などがあります。しかしよほど厳密にではなくとも、費用対効果なども含めたある程度の粒度で効果を見定めていかなければ、セミナーの意義を問うことも難しくなるでしょう。

目的が変われば効果測定の方法も変化する

セミナーの効果測定には、上記のような難しさがあるとは言え、その問題を認識した上で効果測定すれば、ある程度の効果測定は可能です。一般的に目的によって効果測定基準が違うために、目的別にその測定方法を考えるのが良いと考えられます。セミナー開催の目的は一般的に次のようなものがあります。

  • 新規リード(見込み客)の獲得
  • リードの醸成(ナーチャリング)
  • 既存顧客の満足度向上、取引拡大
  • 新製品/サービスの認知度、知名度向上

これらの目的別にどのような効果測定方法があるのかを考えていきましょう。

目的別の効果測定例

新規リードの獲得の場合

見込み客の母数を増やすために行うセミナーですので、単純に受講者数が1つの目安になります。

より厳密に測定しようとするなら、受講者のうちの新規見込み客数が対象になります。新規見込み客数を測定するためには、受講者の中からこれまでに接触のある来場者をリストアップして測定対象から省くことができるような仕組みが必要になります。マーケティングオートメーション(MA)ツールやSFAなどのシステムを用いるのが現実的でしょう。

さらに一歩踏み込んだ効果測定として、受講後アンケートなどの内容から見込みランクを付けて、見込みランク別の来場者数を見る方法もあります。具体的には例えば、すぐに案件化しそうな状況にある方をSランクに、すぐには案件化しなくても自社製品で解決できそうな具体的な課題をお持ちの方をAランクにするなどの方法でランク付けおよび集計を行います。

上記のようなランク付けが難しい場合は、セミナー後のフォローに対する反応によって選別する方法も考えられます。例えばフォローメールに掲載の製品紹介リンクにアクセスのあった見込み客を現段階である程度見込み度合いが高いと判断して一次選別する方法です。この方法だとセミナーによってどの程度自社製品に興味を持っていただいたかも把握できます。

リードの醸成(ナーチャリング)の場合

対象のセミナーによってどの程度リードを醸成できたかを客観的に測定するのは非常に困難です。理論的に考えると、「対象のセミナーを受講した場合と受講しない場合のその後に受注率の差」を測定すれば出るはずですが、しかし、そこまで追跡するのに手間がかかったり、受注できる要因はセミナー以外にもさまざまな要素が関連していたりすることなどから現実的には対象のセミナーのみを切り出して効果測定するのは難しくなります。

とは言え何らかの基準は必要です。例えばセミナー前後の自社サイトへのアクセス数の差を測定したり、問い合わせや資料請求数などを測定したりすることでナーチャリング効果を測る方法があります。その他にも少し違った視点で、セミナー後のアンケートにこのセミナーによって対象製品への興味度が変化したかどうかの質問を入れておいて集計する、などの方法も可能です。

また、上述のとおり受注要因はさまざまではありますが、可能なら対象セミナーを受講している場合としていない場合の受注率の差を集計できるようにしておいた方が良いでしょう。

既存顧客の満足度向上、取引拡大の場合

既存顧客の場合は、営業担当を通じて自社とコミュニケーションするケースが多いので、さらにセミナー単体での効果測定が難しくなります。ナーチャリングの場合のようにコンタクト状況によって測ることが原則できませんので、セミナーの後のアンケートによって満足度や興味度合いを測るしかありません。

また、セミナー直後ではなく改めてメールなどでセミナーの印象や満足度をお聞きする方法もあります。対象のセミナーに対する印象だけではなく、自社製品への期待や今後開催してほしいセミナーなども交えて改めてお訊きすることで、マーケティング調査的な役割も果たせます。

既存顧客の場合も見込み客の場合と同様に、可能なら対象のセミナーの受講有無とその後の取引額の増減との関係を比較できるような状態にしておいた方が良いでしょう。

新製品/サービスの認知度、知名度向上の場合

対象セミナー前後で認知度調査をすればある程度はっきりと効果測定が可能です。しかし、実際コストをかけてそれを行うかといえば、余程大規模なセミナーではない限り現実的ではありません。

従って、セミナー前後の対象製品ページへのアクセス数やカタログダウンロード数、また問い合わせ数などを計測して類推するしかありません。

認知度もセミナーだけで左右されるわけでもありませんので、そのことを認識しておく必要があります。例えばセミナー開催日から何日間はセミナーの効果とする、などの仮定が必要になるかもしれません。

カタログダウンロードや問い合わせは、対象製品を知った媒体別にデータを取り出せるようにしておくと直接の効果を推計することが可能になります。また、製品名のWeb上での検索数も知名度変化の差異を測る参考になります。

まとめ

  • セミナーの効果測定には、その目的に適した成果基準がなかったり、セミナーのみの成果を単独で抽出することが難しいなどの課題がある。
  • セミナーの目的によって効果測定の方法は異なる
  • 目的が新規リード獲得の場合は見込み度ランク別の受講者数などが、目的がリード醸成や既存顧客の満足度向上の場合は、自社サイトへのアクセス状況やセミナー受講有無による受注率や取引額の変化などが効果測定の基準になり得る。
  • 認知度向上が目的の場合は、製品カタログダウンロード数や製品名検索数などが測定基準になり得る。

ここまで説明してきたように、セミナーの効果測定には難しい面もありますが、それでも継続的に一定の基準で効果測定し、セミナー内容の改善や継続開催の判断などを行う必要があります。

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