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セミナーはアフターフォローが勝負! セミナーを営業活動にうまく結び付ける方法

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セミナー後のアフターフォローのやり方によって、その後営業活動に結び付けられるかどうかが決まります。しかし闇雲にフォローしても思うような成果を得ることはできません。今回はどのような考え方でどうフォローしていけば営業活動に結び付けられやすくなるのかについて解説します。

なぜセミナー開催が売上増につながらないのか

何度企業セミナーを開催しても売上増につながらない…。このような悩みを持つマーケティングや営業担当の方も多くおられるのではないでしょうか。セミナー来場者は、対象のセミナー内容に興味はあったとしても必ずしも自社製品を今すぐに購入しなければならないとは限りません。特に企業の場合は、一担当者がいくら乗り気でも、社内決裁が下りなければ購入できません。

認識しておかなければならないのは、実際の購入意思がいつ決定するのかはセミナー主催者側には予測できない、ということ。重要なのは、購入意思が決定するまさにその時に、少なくとも自社へお声掛けいただけるような関係を構築しておくことです。

従って、セミナーを実際の営業活動に結び付けるための重要なキーポイントは「タイミングを逃さないために、見込み客との必要な関係を構築しておく」ことです。

事前にアフターフォローの方法を決めておく

それではどのようにすれば、タイミングを逃さずに関係を構築していけるのかを考えていきましょう。まず、セミナー開催後に「どのような方法でアフターフォローするのか?」を決めていたのでは遅すぎます。また、闇雲に電話フォローしても自社のリソースの無駄遣いですし、フォローメールさえ出しておけば何らかの成果に結び付くというような甘いものでもありません。

フォロー方法を最適化する上で重要なのがリードクオリフィケーション(見込み客選別)です。選別というとあまり良い印象を持たれないかもしれませんが、無駄なコンタクトを最小限に抑えることがきるようになるために、見込み客側から見ても歓迎されるべきことです。

例えば見込み度を、高・中・低の3段階に分け、見込み度が高いと判断されるものは、早急に直接営業が電話でフォローします。なぜなら実際にもう案件が動き始めている可能性があるので、そこはスピード感を持って行動することがタイミングを逃さない最良の方法だからです。

見込み度が中程度の見込み客に対しては、今すぐには購入しないが、いつ購入が決定するかどうか分からない、という状態だと仮定し、その時点でのキャンペーン情報(一時的な値引きや無料お試し他)など直接購入に結び付きやすい情報を優先的に提供します。また他社製品と比較した際の自社製品の優位性など、自社製品が採択される確率を上げるような情報提供も効果的でしょう。対象製品にどのような機能があるのかということや、どのようなメリットがあるのかなどの情報は、すでに購入すること自体が決まっているこの段階ではあまり必要な情報ではありません。

見込み度合いが低いと判断される見込み客は、まだ購入自体が決まっていないと仮定できるので、上記のような直接販売に結び付く情報は必要です。上記とは逆に製品を使用する際のベネフィットや特徴的な機能など、購入を促すような情報を提供する方が良い方向に向く可能性が大きくなります。

一般的に見込み客を自社の顧客に育てていくことをリードナーチャリングと呼びますが、見込み客の状態によって具体的なナーチャリングの方法は異なるということを知っておく必要がありあす。

リードクオリフィケーションの基準

リードクオリフィケーションの基準には、主に見込み客企業においてどの程度まで購入・調達が具体化しているかの基準(以下、購入意思基準)決定と、自社とどのような接点がどれぐらい存在するのかの基準(以下、接点基準)の二通りがあります。

購入意思基準となる指標は、予算、決裁権、導入時期、必要性の4つの基準を用いる「BANT」と呼ばれるものがBtoBでは以前から多く用いられています。予算は、予算額ではなくどの程度まで社内で予算化されているかということ、決裁権は、購入・調達において誰がどのような役割か、また誰が最終決裁者なのかを把握しているか否かという基準です。導入時期は購入までのスケジュールが具体化されているか、また期間はどの程度か、必要性はどの程度まで必要性を感じているのかの基準です。

4種類のすべての情報を得ることは実際にはかなり困難ですので、項目を限定して運用するケースもあります。BANTの運用方法についてはここではあまり詳しく述べることはできませんが、上記の最大4つ基準をポイント化して、後で述べるスコアリングやホットリードで利用します。BANT情報は一般的には直接見込み客に尋ねなければ引き出せない情報が多いのでセミナーや展示会などでのアンケート、営業との直接コンタクトなどでお聞きします。

接点基準は、自社と見込み客にどのような接点がどの程度あるかという基準です。セミナーや展示会への来場、Webサイトの閲覧状況、営業とのコンタクトなどさまざまなチャネルを通じての接点が考えられます。また実際にはどのような内容のコンテンツと接触したのか、またはどのような内容のコミュニケーションをしたのかそれぞれポイント化します。併せて実際に接触した日付を考慮し、新しい接点ほどよりポイントが高くなるよう設計します。

それらのポイントを合計して、より高いポイントの見込み客が案件化の見込みが高いものとして判断。ポイントを層分けし上記のようなそれぞれに適したアプローチや関係づくりを行っていきます。特に案件化の見込みが高い対象はホットリードとして抽出し、速やかに営業担当からコンタクトします。

このように見込み度合いによって見込み客に優先度を付け、それに適した関係を構築することで、案件化し、そしてさらに具体的な営業成果に結び付いてきます。見込み客の育成はじっくりと、案件化してからのクロージングは素早くという基本スタンスで臨むのが良いでしょう。

まとめ

  • セミナー開催を営業活動に結び付けるためには、セミナー後のフォローによって「タイミングを逃さないために、見込み客との必要な関係を構築しておく」ことが必要
  • セミナー後のフォローをどのように実施するかは事前に決めておく
  • 見込み度合いの違いにより、それぞれに適したフォローを行うことで案件化や受注に結び付きやすくなる
  • 見込み度合いの選別は、予算や導入時期などの購入意思がどの程度具体化しているかの軸と、自社とどのような接点がどの程度あるのかの2つの軸で判断する

セミナー後のフォローに投入できるマーケティングや営業のリソースは限られています。それを効率良く活用して成果を上げるためには、それぞれの役割分担を明確にした上で、選択と集中によってリソースを適切に振り分ける必要があります。

[営業] セミナーはアフターフォローが勝負! セミナーを営業活動にうまく結び付ける方法

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