手抜きアンケートはNG! しっかり考えて作るセミナーアンケート
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セミナーアンケートは、その内容や項目などをしっかりと設計しなければ、後々あまり役に立たない情報になってしまいます。また、どれだけ主催者にとって役立つ情報であっても、来場者が回答しなければアンケート自体の意味がありません。今回は、どのような考え方でセミナーアンケートを設計すればよいのかについて解説します。
セミナーアンケートは、ただ漫然と行うものではありません。セミナーアンケートは何のために行うのか? 最初にその目的を確認しておきましょう。
見込み客を集めることをセミナーの目的としている場合が少なくありません。事前申し込み時に氏名やメールアドレス、電話番号などをすでに取得している場合もありますが、そういった場合でもアンケートと事前登録情報を紐付ける必要があります。
なるだけ詳しい情報がほしいところですが、参加者はどちらかと言えばあまり情報をオープンにしたくないもの。また、情報を開示することへのセキュリティ上の懸念を抱かれる場合もありますので、この段階では氏名や企業名、所属部署、メールアドレス程度の最低限の情報に絞り込んだ方が回答率の向上が見込まれます。
セミナー来場者を見込み客として捉える場合、これが最も重要になります。セミナー後にはさまざまなフォローを行うことで関係を構築し、いずれは顧客化することが目標になります。そのアプローチ方法の基準のひとつとして見込み客がどのような課題を持っているかということがあります。もちろん見込み客自身が気付いていない潜在的な課題というものもあり得ますので、対象者・企業が置かれている状況についてもお聞きしたいところです。
継続的にセミナーを実施していくのであれば、受講者からの客観的な意見を聴いて、今後の改善に役立ていきましょう。主催者の感じる満足度と受講者の感じる満足度とは、得てしてズレがあるものです。セミナーの満足感はさまざまな要素によって左右されます。テーマや内容はもちろん、講師や進行、セッション構成、資料など主にセミナーの内容自体に関わるものから、開催日時や時間配分、場所、会場など開催の形式や環境に関わるものなどがあります。後々何が良くてどのような点を改善しなければならないのか、客観的に分析できるようしっかりと切り分けて質問するようにしましょう。
また、人は批判的な意見をあまり言いたくないものです。しかし主催者は満足した点よりも不満な点をより詳しく訊かなければなりません。不満点、改善点などをうまく引き出すように質問内容などを工夫することも必要になってきます。
続いては実際にアンケートに盛り込むべき項目について検討していきましょう。
氏名や会社名、所属部署、メールアドレス、電話番号など、来場者の方の基本情報です。電話番号などの連絡先に関しては記載いただけない場合も多いことをあらかじめ認識しておきましょう。また、後日のアプローチ戦略を考える上では所属部署も重要な情報ですので忘れずに項目に入れておきます。次節以降の項目も同様ですが、申込時にお訊きしている内容とは重複しないように注意します。また、セミナー資料やその他特典等をお送りすることを条件に連絡先等をお訊きするという方法もあります。
セミナーを知ったきっかけは媒体効果を調べるため、参加理由は自社製品購入などへどの程度つながる可能性があるのかによって、見込み度合いを判断するために設けます。
次回以降の改善や後日のアプローチ時に活用するために、下記のような内容をお訊きします。
全般的な満足度を訊いて後で満足度集計などをする場合がありますが、特に役にも立たず意味がありません。訊くのであれば上記のように具体的な内容にします。
セミナーで自社製品/サービスを紹介している場合は、その製品についての興味度合いをお訊きます。例えば下記のような質問が考えられます。
また自社や自部門の状況および課題も併せてお訊きし、自社製品とのマッチング度合いや見込み度合いの判断、またアプローチ時の参考にします。
アンケート回収率を上げるためのポイントは、参加者ができるだけストレスなく回答できるようにすることです。具体的には以下のようなものがあります。
後で役に立たない無駄な設問はすべて取り除き必要最低限に絞り込みます。何となく「入れておいた方がよいかな?」というような項目はすべて割愛してください。
可能な箇所は選択式回答して、記述式設問とうまくバランスをとりましょう。
「…の内容はいかがでしたか?」「…の感想をお聞かせ下さい」などの曖昧な設問は答えに窮する可能性が高いので避けましょう。良かったか悪かったか? 良いならどのような点が? など具体的にお訊きした方がストレスなく回答できます。ただし要望や意見などをお訊きする場合は自由回答にします。
個人情報等もお訊きすることになりますので、プライバシーポリシーを掲載するのが原則です。プライバシーポリシーに沿った個人情報利用への同意を示すためのチェック欄も設けておきます。
セミナーアンケートは、その後どのようにデータ化しさらにどう活用していくのかなどを考えた上で企画・実施することが重要です。