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話し方、伝え方が半分? ”伝える”ためのセミナートーク術

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セミナーの内容はもちろんですが、その話し方や伝え方によっても満足度が大きく変わります。今回はより伝わりやすくするためのポイントについて解説します。

うまく伝えるための心構え

初めから人前でうまく話せる人はむしろ少ないかもしれません。大抵は緊張して普段の練習成果を十分に発揮できないことが多いのではないでしょうか。まず始めに、緊張を解きほぐして自分の実力を発揮するための心構えについてお話しします。

意識の持ち方を変えて緊張を和らげる

何事においても、適度な緊張は集中力や想像力を高め、創意工夫する力の源になります。しかし極度の緊張は、反対に集中力を削ぐことになります。余分な緊張を和らげるためには、まずは意識の持ち方を変えることが必要です。

自分中心に意識を持つと過度に緊張してしまう場合が多いので、周りの人物や事物に意識を持っていくようにします。周りの人を意識すると余計に緊張するのでは? と思われるかもしれませんが、自分を中心に考え過ぎることから過剰な緊張が起こることが多いものです。例えばセミナー当日なら、「今日の天気はどうだろう?」「どんな方が多く来られるだろうか?」など意識を外に向けることで自意識過剰による緊張から少し解放されます。

何度も練習し内容を完全に把握しておく

自信が付くまで繰り返し練習し、内容を完全に把握しておきましょう。できれば重要なポイントは資料が無くても話せるレベルまで叩き込んでおきます。そうすることで「うまくできるかな?」という不安からくる緊張は緩和されます。

うまく話そうとは思わない

「うまく話そう!」と思えば思うほど緊張してしまうものです。何も有名なプレゼンテーターのようにうまく話す必要はありません。「自分の言葉で話す」方がリラックスでき、さらに受講者にも意外と伝わりやすくなります。上記で申し上げたとおり、話す内容が頭にきっちりと入っているのであれば、あとはそれをアウトプットするだけです。ただし、いくら自分の言葉でとは言ってもぶしつけな言葉遣いはNG。あくまで丁寧で丁重に説明するようにしましょう。

伝わる話し方のコツ

具体的にどのようなことに留意すれば伝わりやすくなるのか順を追って見ていきましょう。

伝わりやすい話し方の基本

まずは基本的な話し方の注意点、コツをまとめておきましょう。

  • 日頃話すよりもワントーン上げて話す
  • 小さすぎる大きすぎず適切な音量で話す
  • はっきりと、ゆっくりと話す
  • 専門用語は使わない(専門的なセミナーは除く)

できれば事前のリハーサルで誰かに聞いてもらい、聞きづらい部分が無いかチェックしておきましょう。

アイスブレイクで緊張感を解きほぐす

講師と同じように受講者も緊張しているものです。また、著名人でも無い限り話し手(=講師)が何者なのかも良く分かりません。多くのセミナーの開始時はそういった雰囲気が多いものですが、そのような緊張感を和らげてリラックスかつ親近感をもって受講していただくためには、やはり最初にアイスブレイクを挟むのが効果的です。

最近アイスブレイクでよく用いられるのは、少し詳しめの自己紹介を入れること。話し手の人となりを理解してもらうと共に、少し意外なトピックスなどを交えることで、雰囲気を和らげて親近感を持ってもらうことが可能です。また、あまり硬いテーマではなくしかも小規模の場合は、参加者同士で自己紹介しあったり、簡単なゲームやグループワークを行ったりするのも効果的です。

理論だけではなく感情にも訴える

ビジネス系や技術系のセミナーでは論理的な話しが中心となり、客観的に話しを進めることが多くなります。例えば関係者に向かって「説明」するのであれば、余計な話題などには触れずひたすら客観的に話しを進めた方が効率良く伝わるでしょう。しかし、外部向けの企業セミナーの場合は、自社で招待した方、受講募集した方が対象ですので、聞き手がより納得しやすい方法で伝える必要があります。

他社のセミナーを受講した際に、「内容は正しいんだがもう1つ頭に入ってこない」「理解はできるが納得感があまり無い」などと感じた経験は無いでしょうか。人は理論(頭)で理解して、感情(心)で納得すると言われています。右脳(感情)と左脳(理論)を両方使って物事に対処しようとします。従って客観的な話しを理解することに加えて、さらに感情的に同意でき当事者意識を持つことで納得感が増します。

ビジネスの話題で「感情に訴える」と言うと少し違和感があるかもしれませんが、肝心なのは当事者意識を持ってもらい共感してもらうこと。そのために効果的なのは話しにストーリー性を持たせることです。講演者の体験談を交えたり、事例を紹介したりするのもさらに有効です。ある企業の課題や実際の解決方法などを物語仕立てで聞けば、単に自社の製品の機能や特長を紹介するよりも腹落ちするのではないでしょうか。

少し期待を裏切る

想定どおり、思ったとおりの話しが永遠に続くと、聞く側も少し飽きてきてしまうかもしれません。例えば良い事例を何個か紹介したあとで失敗事例も紹介したり、講師の実績を話すところで失敗談なども織り交ぜてみたりすることで少しだけ期待を裏切ると同時にリアリティを与えることができます。

また、製品に関する説明だけに終始せずに、途中でもう少し広い視野の業界や社会的な問題を取り上げて、違った視野で今までの話しを振り返ってみるのも良いかもしれません。もちろん一般に知られていないような事実も良い意味で期待を裏切ることになるので、受講者のモチベーションを上げることになるでしょう。

まとめ

  • セミナーでうまく内容を伝えるための心構えとして、自分の意識を変えて緊張を和らげたり、うまく話そうとは思ったりしないことなどが有効
  • 伝わる話し方のコツとしては、まず話し方の基本として、声のトーンや音量、ペースなどが適切であることを確認することが必要
  • さらにアイスブレイクで緊張を解きほぐしたり、感情にも訴えたり、さらに少し期待を裏切ったりすることでより受講者に伝わりやすくなる

セミナー内容については十分に検討されることが当たり前ですが、その伝え方についての検討が不十分であることが多いように思えます。できるだけ事前に何度かリハーサルをし、録画映像を確認するなどしてどのように伝わっているかのチェックをするようにしましょう。

[話し方] 話し方、伝え方が半分? ”伝える”ためのセミナートーク術

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