企画/運営から開催後のフォローアップ手法まで確実に成功に導くためのノウハウテクニック26選

当日運用

パワーポイント

見せるセミナーから魅せるセミナーへ パワーポイント資料作成のポイント

キーワード:

セミナー受講者の理解度や集中力を上げるためには、セミナー用のパワーポイント投影資料(以下、パワーポイント資料)は非常に重要です。しかし漫然と作成したのでは必ずしも受講者の理解を助けるための資料にはなりません。また、単に話す内容を記載しているパワーポイント資料では、資料の棒読みだという印象を与えてしまい却って参加者の集中力を低下させる恐れがあります。今回はより印象的で説得力のあるパワーポイント資料を作成するためのポイントを解説します。

どうやって作ればいいのか? パワーポイント資料の作成手順

良いパワーポイント資料を作成するには、そのために必要な手順があります。もちろん内容などによって若干の作成順序が異なる場合がありますが、概ね次のような手順を踏むと良いでしょう。

セミナー参加者像を明確にする

セミナーの内容を考える上でも対象者設定は重要ですが、資料を作成する上でもそれを明確にしておく必要があります。見せる相手によって表現や内容を最適化する必要があるからです。通常は元々企画時に想定しているターゲットと同一ですが、改めて確認し明確にしておきましょう。

このセミナーを受講して達成できること、目的を明確にする

これもセミナー企画時に、想定される受講目的などが設定されているはずですので、そちらを確認しておきましょう。セミナーが複数のセッションに分かれている場合は、セミナー全体の内容から、対象となる個別セッションの参加目的を細分化して定義しておきましょう。

伝えたいことの全体像をまとめる

上記の想定ターゲットや参加目的などを参考に、まず「誰に、何を伝えるのか?」の全体像をまとめます。

伝えたいことを大まかな章に分ける

全体像がまとまったら、それを分かりやすいように大まかな章に分けてみましょう。後の工程で流れなどをチェックするので、分け方が良く分からない場合でも大まかに分けてしまいます。

各章の内容を埋めていく

全体像と大まかな章分けが終わったら、いよいよ各章の具体的な内容を埋めていきます。表現方法などは次章でも解説しますが、無駄な内容や表現をカットしてできるだけシンプルにし、受講者に伝わりやすいように工夫しましょう。また講演時に話す内容をメモとして作成しておきます。

流れやつなぎを調整する

具体的な内容を作成したら今度は各章ごとの流れに不自然な部分や矛盾する部分がないか確認します。また講演時間やバランスなどは問題ないかもチェックし、必要なら内容や流れを調整・修正します。

全体の内容チェック

そもそも伝えたかった全体像との齟齬がないかチェックします。さらに内容に過不足がないか、もっとよい表現がないか、など内容を精査・推敲し、資料のクオリティをワンランク上げます。

表記や表現方法、言葉遣いなどのチェック・校正

表記や表現方法、言葉遣いなどに間違いや好ましくない表現がないかをチェックします。いわゆる校正も同時に行います。校正作業はできれば専門家に頼むのが良いのですが、予算がない場合は自分で校正した後に他の人に見てもらいダブルチェックしましょう。

予行演習による最終チェック

作成した資料を使って実際のセッションの予行演習を行い、この資料でスムーズに進めることができるか、分かりにくい点がないかなど最終チェックをします。もちろん原則自分以外の人にも実際に聞いてもらいます。ビデオ録画して自らチェックするのも有効です。

どんなものを作ればいいのか?伝わるパワーポイント資料作成のコツ

続いて見やすく伝わりやすいパワーポイント資料の作成方法について解説していきます。

適切な資料サイズを選択する

セミナー向けなどを含むいわゆるプレゼン資料は、通常横型で作成しますが、A4横で作成する場合とワイド画面で作成する場合があります。それぞれメリット/デメリットがありますので、それらを認識した上でどちらのサイズで作成すべきかを判断しましょう。

A4横型は、企画書や提案書などの印刷用にも使える万能型のサイズです。セミナーでの投影にも使用できますが、プロジェクターは通常16:9のワイド画面ですので左右に余白が入ってしまうというデメリットがあります。また、一般的に投影時の方が文字が見づらいのでフォントを大きくしますが、それだと印刷時には大き過ぎてしまいますのでバランスをとるのが難しくなります。

ワイド画面(16:9)で作成すれば投影時に見栄えの良い仕上がりサイズになります。ただし上下に余白が発生するために印刷には不向きです。投影用として割り切って作成しましょう。

大きめのフォントを使い、大きさや種類を統一する

投影用では24ポイント以上が視認性を確保して見やすくなると言われています。なるだけそれ以上の大きさのフォントを使用しましょう。またフォントサイズやフォントの種類はあまり多くのものを使わず、数パターン程度に抑えるようにすると見やすくなります。

見やすい色使いを心掛ける

背景色は原則白に統一します。工夫をすれば黒背景も使うことができますが、それ以外の背景色は視認性が悪くなるので使いません。また、フォント色は最大でも3色程度に抑えるようにした方が見やすい資料になります。もちろんあまり薄いフォント色は読めませんので使用を避けます。

アニメーションの使用は最低限に

アニメーションは受講者から見れば意味はありません。従って使用しないか、本当に印象に残したい箇所のみに絞り込みましょう。

1枚のスライドで多くのことを表現しない

できるだけ1枚のスライドでは1つのことだけを表現しましょう。1枚で多くのことを表現しようとすると内容がまとまっていない印象を与え、さらにフォントや図表などが小さくなるので見づらくなります。

図表を活用する

文章で書くよりも図表で表現する方が直感的に伝わりやすく、印象にも残ります。特に文章が長くなってしまう箇所は、図表で表現できないか検討しましょう。仮に図で表現できなくても表形式でまとめるだけでも印象は大きく違います。

すべてを書かない

セミナーで話すことすべてを資料で表現してしまうと、結局それを読んでいるだけのセミナーになってしまいます。パワーポイント資料に落とし込むのは、話す内容の中でも重要なキーワードや印象に残したい箇所にし、詳細を口頭で伝えるような構成にします。さらに例えば資料では客観的な事実のみを投影した後、その背景を口頭で説明するなど、資料と口頭を上手く組み合わせた構成も効果的です。

まとめ

  • パワーポイント資料は、セミナーのターゲットや内容、目的を明確にした上で全体像をまとめ、徐々に細部を作成。最後に全体の流れや表現などをチェックする
  • より伝わりやすい資料を作成するには、資料やフォントのサイズ、配色などに配慮する必要がある
  • 図表を活用したり、1スライドであまり多くのことを表現しないようにしたり、すべての内容を資料化しないなどを心掛けることでより印象的なパワーポイント資料になる

セミナー用のパワーポイント資料は凝ったものを作成する必要はありません。できるだけシンプルかつダイレクトにメッセージが伝わるような構成や表現を心掛けた方が良いでしょう。

[パワーポイント] 見せるセミナーから魅せるセミナーへ パワーポイント資料作成のポイント

キーワード: