集客力が上がるチラシ・パンフレットデザインの基礎
はじめに集客用チラシなどを作成する際に必要となるデザイン上の基本的なポイントを見ていきましょう。
ターゲットやベネフィットを明確にしておく
どのようなデザインや構成にするかを考える前に、まずそのセミナーに集客したいターゲット、セミナーを受講して得られるメリットを明確にしておく必要があります。「誰に何を訴求するのか?」が明確でないと、どのようなチラシやパンフレットを作成して良いのかが判断できないはずだからです。
良いチラシデザインに必要な基本要素
見て分かりやすいこと
当たり前のようですが、これが最も重要なデザイン要素です。凝ったデザインやファッショナブルな要素よりもまず「見て分かりやすいこと」が、セミナー集客等のチラシでは何よりも優先します。
目線の動きを意識する
レイアウトの基本はまず、目線の動きを押さえることです。人はチラシなどの印刷物を見る場合、横書きなら左上→右上→左下→右下の順に視線を動かします。その動きがチラシ全体でもそうですし、チラシ内にレイアウトされた各ブロック内でも同様の動きが繰り返されます。レイアウトを考える場合、そのような視線の動きを考慮した上で判断することが必要になります。
そのような目線の動きに合わせて、最初に見てほしいキャッチコピーやアイキャッチなどを左上などに配置し、続いてボディーコピーや製品写真などのそれに続くべき要素を目線移動に順じて配置していくのが基本です。
レイアウトの基本テクニック
チラシなどのレイアウトの際に活用できる基本テクニックには次のようなものがあります。
グループ化する
同じようなカテゴリーや、近い内容のものを視覚的にグルーピングします。単純に近い位置に配置するだけではなく、線や色分けなどを活用して直感的にグループ分けが判別できるようにします。
何らかの基準で揃える
何の基準もなく並べられたデザインは、見る人に不安定さを与えます。しっかりとデザインされたものは、一見ランダムに見えても何らかの基準で揃えられているものです。揃え方の基準は、文頭や左揃え、文末や右揃え、中央揃え、また一定のインデント幅で揃えたり余白で揃えたりするなどさまざまな方法があります。原則フリーにレイアウトするのではなく何らかの基準で揃える方が良いでしょう。
強弱をつけてメリハリを出す
すべての情報を目立たせようとすれば、逆にどの要素も印象が残らないデザインになります。目線の動きなどを意識しながら、どの情報をよく見てもらいたいのかを決め、デザインに強弱をつけましょう。大きさや明暗、配色、密度(余白の有無)などでメリハリを出すことができます。
色使いを適切にする
色使いに関してはなかなか奥が深いのでここですべてを述べることは難しいのですが、基本的な考え方は以下のようになります。
ある程度以上の濃淡をつけて読みやすく、目立つようにする
例えば背景が淡い色の場合は、文字や図表などは濃い目の色、背景が濃い場合はその反対にするなどの配慮が必要です。しかし反対にコントラストがきつ過ぎると目立ちはしますが安っぽい印象になりますのでほどほどに調整する必要があります。
色数、色合いを適切にする
色数も多すぎると逆にデザインが難しくなります。数色程度に抑えた方が見やすくかつ印象の良い仕上がりになります。また赤系や青系などどのような色合いをメインンにするかは、セミナーの内容やターゲット層にマッチしたものを選択します。
セミナー集客チラシ・パンフレットに必要な要素・項目
続いてセミナー集客チラシ、パンフレットに入れておくべき要素・項目について確認していきましょう。
キャッチコピー・ボディーコピー
キャッチコピーは見込み客の注意を惹くためのものですので、ある程度インパクトがあるものを作成する必要があります。チラシ上では最も目立つ場所に配置するのが常套です。ボディーコピーはキャッチコピーを受けてその根拠を明示したり、より深く説明したりすることでセミナー自体の価値や意味を印象付け、具体的に「このセミナーに行ってみたいな」と思わせるのが目的です。いずれもセミナー自体のターゲット特性やベネフィットをよく理解して作成する必要があります。
具体的なセミナー内容
具体的なセミナー内容として、セミナータイトルや開催日時、内容、会場およびアクセス方法、住所・地図、受講費用、主催者(共催者、後援等含む)、申し込み方法、問い合わせ連絡先などを掲載します。先のデザインの章でお話ししたグルーピングや強弱などに配慮して分かりやすいように掲載しましょう。
講師のプロフィール
外部講師など特に講師自身に集客力がある場合は、プロフィールを詳しめに掲載します。講師自身の言葉によるセミナーの紹介を載せても効果的です。
チラシ等を見た方に起こしてほしいアクション
作成者側は集客のために作成しているので当たり前のように感じてしまうものなのですが、チラシを見た方はこのチラシを見てどんなアクションを取れば良いのかはっきりとは意識できない場合もあります。はっきりと「こちらからお申し込みください」などの文言でセミナー受講に誘導するようにしましょう。
参加者の感想や推薦文
セミナーの内容や特性などによって、過去参加者の感想や他社、著名人などの推薦文などを掲載すると効果的な場合があります。参加者の感想に関しては受講の効果が比較的短時間かつ明確に現れるものに適しています。また推薦文に関しては、推薦を頂く先の選択に注意を払う必要があります。
まとめ
- 集客用チラシ作成の前に、ターゲットやベネフィットを明確にしておく必要がある
- 集客用チラシに必要なのは、まず見て分かりやすく目の動きを意識したデザインである
- グループ化や何らかの基準で揃えたり、また強弱をつけたりするようなレイアウト上の基本テクニックを使って作成すると良い
- セミナー集客チラシ等には、キャッチコピーやセミナー内容、講師プロフィールなどの項目を掲載する
近年は、チラシやパンフレット、Webサイトなどさまざまなメディアを組み合わせて集客することが多くなりました。各メディアである程度使い回しができるように、メインのキャッチコピーや写真などを共通化しておくと効率良く集客することができます。