セミナー受付に必要な準備と当日対応に必要な要素
いくら期待できる内容の優れたセミナーでも、受付の印象が悪ければ開催企業に対する印象は良くないものになるでしょう。限られた予算や時間の中で開催しなければならないケースも多いので常に万全の体制でセミナーに臨むことは難しいかもしれません。しかし出来得る限りの準備を整え、当日の対応もベストを尽くすことが大切です。
事前に準備しておきたいコト
セミナー開催までには次のようなコトを事前に確認や解決しておきましょう。
配布資料の内容や形態
これをしっかり決めておくことで受け付けがスムーズになります。資料に加えてノベルティも渡すのか、どのような方法で渡すのか、アンケートは同封するのかそれとも別に渡すのか、など細かな点を決めておく必要があります。
受付方法
事前に申し込みがある場合と無い場合など、状況別に受付方法を確認し、関係者に周知しておきましょう。
よくある質問
トイレ、自動販売機、喫煙ブースの場所やWi-Fi接続情報など、よく聞かれそうな質問内容を確認し必要な情報を収集しておきましょう。Q&A集などにまとめて、スタッフに配布しておくこともお勧めです。
遅れてきた方に対する対応
開始後も一定時間受付するのが一般的ですが、開始後に来場された方の対応を事前に確認しておく必要があります。そのまま入場すると問題がある場合(会場が暗い、静か、満席に近いなど)は、受付からエスコートしたり、会場内スタッフに対応を引き継いだりする必要があります。
事前に準備しておきたいモノ
受付関連で事前に準備しておきたいモノ、物品は以下のようなものがあります。
- 配布資料やノベルティ(受付で渡す場合)
- 釣り銭(受講料の当日現金払いがある場合)
- 会場案内掲示(セミナー開催ブースやトレイ、喫煙所などの場所を掲示)
- 飲み物(受付で渡す場合)
- 受付名簿、筆記用具(受付名簿を記入いただく場合)
- 名刺入れ
- 参加証携帯用のパスホルダーなど
- 受付用のタブレットやPC(システムで受付する場合)
以上のようなモノを事前に準備しておくことで、スムーズに受付ができ、来場者の方に安心して受講いただくことができます。
当日の受付対応
基本姿勢
受付の対応で重要なポイントは、スムーズで丁重に対応できるかどうかです。例えばビジネス効率化をテーマとするセミナーを開催して、受付がもたもたしているようでは説得力がありません。
また想定される参加者に合わせた対応も考慮する必要があります。極端な例でいうと役員や部長クラスの参加が見込まれる場合は、受付にも多くのリソースを配分して滞りなく対応すると共に、開催者側も受付にそれなりの役職者を配置して来場者へ挨拶をするようなことも考えた方が良いでしょう。
必要事項の周知と状況の共有
当日朝礼などで受付方法や注意事項、来場見込みなどの最終周知と情報共有をしっかり行います。
受付スタッフ
小規模の場合でも最低2名は配置する必要があります。1名のみですと何らかの事情で長時間拘束されるようなことがあれば受付がストップしてしまい、パニックになります。また、できれば営業や接客経験のあるスタッフをアサインして、そつのない対応をできるようにしておきましょう。もし一般的なビジネスマナーに不安がある場合は、教育しておく必要があります。
受付時の服装はスーツが無難ですが、事前に受付以外のスタッフも含めて、どのようなレベルの服装にするか統一しておきましょう。もし判断に困ったらフォーマルな方を選択するのが順当です。
セミナー予約システム導入の検討
セミナーの予約から受付までを効率化する方法として、セミナーの予約・受付システム(以下、予約システム)を導入する方法があります。ある程度継続的に開催する場合は導入を検討した方が良いでしょう。予約システムを導入すると次のようなメリットがあります。
予約システム導入のメリット
受付時に受付名簿を書く必要がなくなる
予約システムを用いる場合、一般的にはシステム画面やQRコード読み込みなどで来場受付できますので、受付時間が大幅に短縮できます。セミナー受付の大きな課題の1つの「受付時の混雑緩和」を抑制できますので、大きなメリットです。また、個人情報保護強化にもつながります。
フォローアップが簡単になる
予約システム内の来場者データを、メール配信システムやマーケティングオートメーションと連携させることにより、スムーズに開催後のフォローアップを実施することができます。(元々メール配信などのフォローアップ機能も備えたシステムも多くあります)
来場予約がいつでも受付できる
これは開催時の受付とは直接関連しませんが、セミナー運営全体にとっては大きなメリットです。受付工数がかからず、しかもいつでも申し込めるために申し込み機会の損失を抑えることができます。
申し込み状況をリアルタイムで把握・共有できる
申し込み時に直接データ化されるので、原則いつでも、どこでも申し込み状況が確認できます。
予約システムの選択基準
予約システムを選ぶ際の基準には以下のようなものがあります。
機能、対応範囲
予約フォーム作成や予約管理、来場受付、フォローアップなどどこまでの機能をカバーしているのかが選択基準の1つになります。
外部連携
予約システムのみでセミナー運営を完結しない場合は、他システムとの連携がスムーズにできるかどうかも確認しておきましょう。
ユーザーインタフェース、使いやすさ
近年、機能的なものは似通ったシステムが多くなってきましたが、意外とユーザーインタフェースや使い勝手は大きく異なる場合があります。決定する前にできるだけデモや試用により使い勝手をチェックしておきましょう。
コスト、料金体系
現在では初期費用が安価または不要で月額料金のみで利用できるサブスクリプション方式が多くなってきています。自社の方針にもよりますが、SaaS型のサブスクリプション方式の場合は、初期投資が抑えられる上に、システムの管理やバージョンアップは提供者側が行うので低リスクで運用負荷も低いというメリットがあります。反対に買い切りや自社開発のシステムの場合は、初期投資が大きくなる代わりに自由度が高くなるというメリットがあります。
まとめ
- セミナーの受付をスムーズにするために事前に準備、確認しておきたいコトには、受付方法や配布資料の内容、よくある質問などがある
- 同様に事前に用意しておきたモノには、配布資料や掲示物、受付名簿や名刺入れなどがある
- 当日の受付では、まずセミナー内容や来場者層などに合わせた対応を心掛けることと、必要事項の周知や適切なスタッフ配置が重要になる
- セミナーの予約/受付システムを導入することで、受付はもちろんセミナー運営全体を効率化することができる。
セミナーで初めて自社と接点を持つ方にとってはセミナー受け付け時のイメージが第一印象になります。今後の良好な関係構築を望むのならそつのないセミナー受付を行っておきたいものです。