kintone※1やuSonar※2との連携により、顧客データ活用基盤を強化
ハイスピードカメラや映像ソリューションを提供する株式会社フォトロン様では、展示会や営業活動を通じて多くの見込み顧客との接点を獲得していました。しかし、それらの情報を十分に活用しきれていないという課題を抱えていました。
ハイスピードカメラは用途が多岐にわたるため、計測機器・画像機器・製造ソリューション・自動車など様々な展示会へ積極的に出展しており、多い時は年間で約7,000件もの名刺情報を獲得していました。展示会は新たな顧客との出会いの場として重要な役割を担っていましたが、その後のフォローは営業担当者ごとに任されている部分が大きく、組織として顧客情報を活用する仕組みは十分に整っていませんでした。
「展示会では毎回多くの名刺を獲得できていました。しかし、その後のフォロー方法は営業担当者によって異なり、組織として顧客情報を活用しきれていない状況でした」(山口氏)
また、全国を少人数の営業体制でカバーしていたこともあり、既存顧客対応と新規顧客開拓を並行して進めることには限界がありました。展示会で得た接点を継続的な商談機会へつなげるためには、顧客情報を組織全体で共有し、営業・マーケティングの双方で活用できる環境づくりが必要だったのです。
さらに、当時は顧客との接点情報が営業担当者個人のメールやExcelファイルに分散しており、過去の対応履歴を確認するにも時間がかかっていました。担当者が異動した場合や複数部門で顧客対応を行う場合には、情報共有の難しさが課題となっていたといいます。こうした課題を解決するために導入したのがMRCでした。
導入の決め手となったのは、柔軟な対応力と拡張性です。「当時はまだサービス開始から間もない頃でしたが、こちらの要望に対して迅速かつ柔軟に対応していただきました。長く使い続けられるイメージが持てたことが大きかったですね」(内野氏)
まずは展示会で獲得したリード管理からスタートし、その後メールマーケティング、フォーム運用へと活用範囲を拡大。現在では営業・マーケティングをつなぐ顧客管理基盤として活用されています。
「集計するだけ」から、顧客の興味を可視化し次のアクションにつなげる運用へ

現在、フォトロン様ではWebサイト上の各種フォームをMRCフォームへ統一しています。製品資料ダウンロードフォームやお問い合わせフォームはもちろん、ウェビナー後のアンケートや各種キャンペーンにも活用。単に情報を集めるだけではなく、「誰が」「何に興味を持っているのか」を把握するための重要な接点として位置付けています。
導入以前は、フォームから情報を収集しても件数を把握するだけで終わってしまうケースが少なくありませんでした。どの顧客がどの資料をダウンロードしたのか、どのテーマに関心を持っているのかを継続的に追跡することは難しかったといいます。
「以前はアンケートを集計して終わり、というケースもありました。今はフォーム回答と顧客情報を紐付けて管理できるので、その後の営業活動やマーケティング施策に活かせるようになっています」(山口氏)
MRCフォームの活用によって、顧客の関心領域や行動履歴を可視化できるようになったことで、次のアプローチを検討しやすくなりました。例えば、ウェビナー参加者のアンケート結果と資料ダウンロード履歴を組み合わせて確認することで、どの顧客が高い関心を持っているのかを把握できるようになりました。営業担当者は顧客の関心テーマを理解したうえでアプローチできるため、提案の精度向上にもつながっています。
また、集計業務そのものも大幅に効率化されています。紙アンケートやExcelによる手作業中心だった頃と比較すると、情報整理や分析にかかる時間は大きく削減されました。現在では収集したデータを継続的な営業活動やマーケティング施策へ展開し、顧客理解を深めるための基盤として活用しています。
部門を超えて顧客情報を共有。マーケティングと営業をつなぐ共通基盤に

近年、フォトロン様が特に力を入れているのがコンタクト機能の活用です。
同社ではマーケティング部門が取得した顧客情報をMRCへ蓄積し、営業担当者へ共有しています。問い合わせ内容や商談状況、過去のやり取りなどを顧客ごとに一元管理できるため、担当者が変わった場合でもスムーズな引き継ぎが可能です。
「以前は担当者の記憶やメールボックスの中に情報が残っているケースもありました。今はコンタクト履歴として蓄積されるため、誰でも状況を把握できるようになっています」(内野氏)
例えば、過去の展示会でどのような会話をしたのか、どの製品を利用しているのか、どのような課題を抱えていたのかといった情報を時系列で確認できます。そのため、お客様へ同じ質問を繰り返すこともなくなり、よりスムーズなコミュニケーションが可能になりました。
また、コンタクト機能は営業活動の見える化にも役立っています。日報集計や活動管理にも活用しており、マネジメント層が営業活動の進捗状況を把握しやすくなっています。「顧客との接点情報が共有されることで、営業担当者同士の連携も取りやすくなりました。
過去の経緯が分かるので、よりスムーズに提案活動を進められています」(山口氏)
マーケティング部門だけでなく、営業部門を巻き込んだ全社的な活用へと発展しています。
点在する顧客情報を統合し、営業が活用できるデータ基盤を構築
フォトロン様ではMRC単体の活用に留まらず、kintone※1やuSonar※2との連携も積極的に進めています。
現在は社内の顧客データベースであるkintoneとAPI連携を行い、顧客情報やフォーム回答情報を自動同期。さらにuSonarとの連携によって企業属性情報を付与し、より精度の高い顧客データ管理を実現しています。「以前はCSVを出力して加工し、別システムへ取り込む作業が必要でした。運用担当者の負担も大きく、情報更新にも時間がかかっていました」(山口氏)
現在は自動連携によってデータ更新の手間が大幅に削減され、常に最新の顧客情報を活用できる環境が整っています。
また、顧客情報を一元管理できるようになったことで、営業担当者が必要な情報へ素早くアクセスできる環境も整備されました。
展示会来場履歴、問い合わせ履歴、商談履歴などを横断的に確認できるようになったことで、顧客理解は大きく進化しています。「お客様との接点情報が蓄積されているので、以前よりも適切なタイミングでアプローチしやすくなりました。営業活動の質も向上していると感じています」(内野氏)
顧客データを単に蓄積するだけではなく、営業活動へ活用できる状態にする。そのための基盤としてMRCが機能しています。
顧客との接点データを活かし、AI活用によるさらなる価値創出へ
今後、フォトロン様ではコンタクト機能に蓄積された顧客とのやり取りをAIで分析し、さらなる活用を目指しています。
営業担当者と顧客のやり取りには、顧客が抱える課題や潜在ニーズが数多く含まれています。しかし、それらを人手だけで分析するには限界があります。
そこで、コンタクト履歴をAIで分析することで、顧客ごとの傾向や業界ごとの課題を抽出し、新たな商品開発やサービス改善、営業活動へ活かしていく構想です。「顧客との接点情報は当社にとって大きな資産です。その資産をさらに活用し、お客様への価値提供につなげていきたいと考えています」(山口氏)
単なる顧客管理ツールとしてではなく、顧客理解を深めるためのデータ基盤としてMRCを活用していきたいと考えています。
導入を検討している企業へのアドバイス
フォトロン様では、「まずは顧客情報を蓄積し、見える化することが重要」と語ります。
最初から複雑な運用を目指す必要はありません。顧客情報を一元管理し、一覧で見られる状態を作るだけでも多くの気づきが生まれます。紙やExcelで管理しているだけでは見えてこなかった顧客傾向や営業機会も、データベース化することで見つけやすくなります。
さらに、そこへ展示会情報や問い合わせ履歴、営業活動履歴を積み重ねていくことで、顧客との関係性をより深く理解できるようになります。「顧客情報を蓄積するだけではなく、活用することが重要です。まずは小さく始めて、少しずつ運用を広げていくことをおすすめします」(内野氏)
顧客との接点を企業の資産として蓄積し、マーケティング・営業が連携して活用していく。
その基盤づくりこそが、MRC導入によって得られる最大の価値と言えるでしょう。
※1 kintone:サイボウズ株式会社が提供する、ノーコードで業務アプリを作成できるクラウド型業務改善プラットフォーム。
※2 uSonar:ユーソナー株式会社が提供する、日本最大級の企業データベースを搭載した顧客データ統合ツール。