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機能編・応用

API連携

MAツールとAPI連携できるツールと活用方法

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MAツールと他のツールを連携したり、他ツールの機能を呼び出したりできるのが「API連携」です。異なるツール間でデータを同期させられるため、営業・マーケティング活動の効率化と部署間のスムーズな連携などに役立ちます。各ツール単体では難しい複雑な施策の展開も可能です。

MAツールは連携できるツールの種類が多いので、他のツールから得た情報を統合する「マーケティングハブ」としても使うこともできるでしょう。

そこで今回は、MAツールを使ったAPI連携のメリットや注意点などについて、詳しくご紹介します。

API連携とは

異なるツールの間でデータをやり取りできる「API(Application Programming Interface)」の登場によって、新たなアプリケーションを開発しなくてもツール間で簡単に連携ができるようになりました。

システムを構築するたびにアプリケーションをゼロから開発すると、膨大なコストがかかってしまいます。しかし、API連携を活用すれば、現状のままでもソフトウェアの機能を共有できるため、新たなアプリケーションを開発する必要がありません。

一般的なAPI連携の例には、以下のようなものがあります。
・Webサイトでの会員登録で、SNSのアカウントをログイン認証に使う
・検索エンジンの地図を自社のホームページに表示する
・チャット機能を異なるサービス間で共有する
など

BtoBにおけるAPI連携のメリット

BtoBでのAPI連携には、主に以下のようなメリットがあります。

部門間のスムーズな連携が実現する

API連携によって異なるツールのデータを統合できるため、部門間での連携がスムーズになります。

たとえば、マーケティング部が「MAツール」、営業部が「SFA」を導入している場合、各ツールを単体で使用しているとデータや情報が分断されるため、効率的な活動が行えません。しかし、MAツールとSFAをAPI連携させれば、統合されたデータを両部門で活用することができます。

データを移行する手間がかからない

API連携させるだけでデータを統合できるため、データを移行させる手間や時間がかかりません。移行時間の軽減は、中長期的なコスト削減にもなるでしょう。

データをリアルタイムで可視化できる

異なるツールをAPI連携させるとクラウド上のアプリケーションとして提供され、一定の間隔でデータの同期処理が行われます。データの同期に伴う時差が少なくなり、全ツールのデータがリアルタイムで可視化されているような状態になります。

MAツールと他のツールとのAPI連携でできること

MAツールと他ツールとのAPI連携でできることを、詳しく見ていきましょう。

マーケティング活動の効率化

マーケティング活動の効率化には、「MAツール」と「CRM」、「SFA」のAPI連携が欠かせません。

MAツールは、リードの獲得からホットリード抽出までのプロセスに特化したツールです。CRMは顧客関係を管理し、SFAは商談や営業活動の進捗状況を管理します。どのツールもカバーできる領域が異なるので、単体で運用していると効率化できる範囲は限定的となります。

しかし、MAツール、SFA、CRMをAPI連携させれば、リードの獲得から営業活動、成約後の顧客関係管理までを含めた全データを共有できるようになるのです。

API連携によってMAツールのホットリードをSFAで確認したり、SFAの商談情報をMAツールの運用シナリオに活用したりすることもできます。

CRMの顧客情報や取引情報をMAツールで分析すれば、優良顧客の定義作成に役立つでしょう。優良顧客の定義は、リードジェネレーションやリードナーチャリング戦略の立案などに使えます。

見込み客の情報を正確に取り込める

MAツールと名刺管理ツールをAPI連携させれば、獲得した名刺情報を正確にMAツールへと移行できます。情報の入力を人的に行うと打ち間違いなどのミスを起こしますが、名刺管理ツールは画像データを読み取ってテキストデータにするため、正確なデータの同期が可能です。

ただし、読み取り精度は名刺管理ツールによって異なります。MAツールと連携させる場合は、名刺管理ツールの読み取り方法や精度を確認しておきましょう。

アンケートの結果を活用できる

MAツールとWebアンケート管理システムをAPI連携させれば、「セミナーの参加者から得られたアンケートの回答結果」と「MAツールのリード情報」を統合できます。

同じ顧客がセミナーに複数回参加してアンケートに回答した場合の管理も容易です。回答内容によって顧客をセグメント化すれば、マーケティング戦略の立案や営業活動の効率化にも活用できます。

離脱した見込み客にアプローチできる

MAツールとDMPをAPI連携させれば、「Webサイトにアクセスしたが、離脱してしまったユーザー」に向けて再来訪を促すバナー広告を表示することができます。

DMPが蓄積しているデータと、MAツールに登録されている既存顧客のデータを統合することで「成約する可能性が高い属性の分析」も可能です。

API連携の注意点

メリットの多いAPI連携ですが、注意したいポイントもあります。

サーバー障害によるリスクがある

API連携のデータはローカルで共有するわけではないため、連携先のサーバーが稼働していないとデータの取得ができません。過剰なリクエストによる制限や、第三者からの不正アクセスなどに対する対策も必要です。

データの重複を処理する必要がある

誤記などが原因で他のツールとデータの相違が発生すると、同一人物のデータが複数存在することになります。「山田太郎」と「山田大朗」のようなミスでも、ツールは「別人」と判断してしまうので注意が必要です。

データの重複は架電やメール配信のコスト増大を招きます。同一の顧客に何度も同じ情報を提供するといったトラブルにもつながるでしょう。

データの重複を解消するためには、「データのクレンジング」を行います。

データクレンジングの手順

管理する情報によって手順は異なりますが、MAツールのデータクレンジングは一般的に以下のような流れで行います。

1.異なるデータをひとつにまとめる
2.データの抜け、表記ゆれなどをチェックする
3.データの修正を行う
4.重複データがあれば統合する

分析の精度を高めるためにも、定期的にデータクレンジングを行うことが重要です。

API連携できないツールもある

API連携ができるかどうかは、MAツールによっても異なります。MAツールを選択するときには、連携させたいツールに対応しているかどうかを必ず確認しましょう。

API連携後の運用方法も事前に検討しておく必要があります。すでにSFAや名刺管理ツールを運用している場合は、すべてのツールをMAツールと連携させるのか、一部に限って連携するのかなどを議論し、現在の運用体制に則した移行方法を検討するとよいでしょう。

まとめ

今回は、API連携のメリットや注意点などについてご紹介しました。

MAツールと他のツールをAPI連携させれば、単体では難しかった施策の展開や、部門間でのスムーズな連携が実現します。

マーケティング活動の効率を高めるためにも、利用頻度の高いSFAやCRM、名刺管理ツールとの連携は積極的に検討したいところです。ただし、MAツールによって連携できるシステムは異なるので、導入する前に必ず確認しておきましょう。

[API連携] MAツールとAPI連携できるツールと活用方法

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