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失敗したくない!MAツール導入時のよくある失敗原因と対策とは?

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見込み客の一元管理を行いながら、One to Oneマーケティングによる効率的なリードナーチャリングを実現する「MA(マーケティングオートメーション)ツール」。

インターネットの普及で変化しつつある営業スタイルに対応するため、MAツールを導入する企業も増えてきています。しかし、MAツールを導入しても活用できず、メールの配信程度にしか利用できていないというケースは少なくありません。

そこで今回は、MAツールの導入で失敗してしまう原因と、その対策について詳しくご紹介します。

「MAツールは万能」という誤解が導入失敗を招く

多くの企業が「MAツール=完全自動化の実現」という誤解をしたまま、ツールの導入を決断しているのではないでしょうか。

たとえば、MAツールのメール機能を使う場合にしても、配信するメールの作成や配信スケジュールなどは人的に行う必要があります。MAツールは設定に従って作成したメールを自動送信するだけです。

MAツールの導入で失敗しないためには、「どのようなことができて」、「何が自動化されるのか」をしっかりと理解しておかなければいけません。

MAツールの導入に失敗する原因

ここからは、MAツールの導入に失敗する主な原因を詳しくご紹介していきます。

MAツールの導入そのものが目的になっている

「MAツールを導入すれば、それだけで成果が上がる」という誤解から、導入しただけで満足してしまっているケースです。

具体的な数値目標を立てずに運用してしまうと、導入による成果の確認と問題点の改善を行えず、PDCAサイクルも成り立ちません。

リードの数が少ない

MAツールの大きな特徴に「リードナーチャリングの効率化」があります。MAツールを使ったOne to Oneマーケティングが目的で導入した企業も多いのではないでしょうか。

しかし、メール配信機能やシナリオ機能を使ってOne to Oneマーケティングを展開しようとしても、施策の対象となるリードが少なければメールの送信対象が限定的になります。

メールの開封率は10%前後が一般的なので、数百件のメールを送信したぐらいでは、開封されるメールの数は数十件程度にとどまり、ホットリードに育成できる数はさらに少なくなるため、MAツール導入による成約率の向上は実感しづらくなるでしょう。

コンテンツが少ない

自社コンテンツの細分化や定期的な更新は、MAツールの活用に欠かせない要素です。コンテンツが少なすぎると、リードの行動を可視化してもニーズの顕在化を把握できません。

リードの興味度合いを適切に判断して成果を上げるためにも、MAツールを導入する前に、ある程度自社サイトのコンテンツを充実させておく必要があります。

運用設計ができていない

MAツールを活用するためには、事前に以下のような運用設計をしておくとスムーズに運用・効果測定ができます。また、運用開始後も定期的に各設計を見直して精度を高めていきましょう。

  • 自社のニーズに応じたターゲットの設定
  • ナーチャリングのシナリオ作成
  • ユーザーの興味を惹くメールの作成
  • セスコアリングモデルの設計 など

とくに重要なのは「スコアリングモデルの設計」です。MAツールには、リードの興味度を可視化して、ホットリードを客観的に判断する「スコアリング機能」があります。成約率を左右する重要な機能なので積極的に活用したいところですが、適切なスコアリングを行うためにはノウハウが必要です。

あらかじめスコアリングの設定がされているMAツールも少なくないので、導入直後はそのまま使うのもよいでしょう。しかし、成果を高めるためには、運用後の効果を確認しながら、自社に最適なスコアリングモデルへの改善していくことが重要となります。

ただし、スコアリング設定に正解がないのも事実です。スコアリングの精度を高めるためには、マーケティング部門と営業部のスムーズな連携を実現させ、営業部からのフィードバックに応じた調整を行っていきましょう。

MAツールの導入に失敗しないための対策

MAツールを導入して成果を高めるためには、以下のような対策をすることが大切です。

  • MAツールの導入目的を明確にする
  • 自社のリソースとスキルを確認する
  • コンテンツを充実させる
  • 運用後もPDCAサイクルを回す

それぞれ詳しく見ていきましょう。

MAツールの導入目的を明確にする

まずは、自社の課題を把握にしたうえで導入目的を整理し、MAツールの導入によって実現したい目標を数字で明確に定めましょう。

  • リードの獲得数を○パーセント増やす
  • 営業にパスするリードの数を○%向上させる
  • 成約率を○パーセント高める  など

抱えている課題によって注力する施策は異なってきますが、目標を明確にすればMAツールに求める機能も自ずと見えてくるようになります。

自社のリソースとスキルを確認する

MAツールを運用する担当者の知識レベルを確認することも大切です。マーケティングに取り組み始めたばかりの企業では、専任の担当者を確保するのが難しいケースもあります。多機能なMAツールを導入しても、使いこなせなければ効果を得ることはできません。

社内に適した人材がいないときには、各ベンダーのサポート内容をチェックしてみましょう。サポートの範囲は各社で異なるため、自社の人材とサポートで運用できる体制を築けなければ、運用の負荷が高くなり、MAツールの導入が失敗に終わる可能性があります。

運用サポートが有償のベンダーや、外部のコンサルティング会社に依頼する場合は、年間の運用コストを踏まえたうえで各ツールを比較検討するといいでしょう。

コンテンツを充実させる

MAツールを導入しても、ニーズに適したコラムやダウンロード用の資料、導入事例の紹介といったコンテンツが充実していなければ、リードの獲得と育成は難しいでしょう。

とくに意識したいのはリード数の確保です。適切な目標を設定しても、アプローチできるリードが少なければMAツールの導入効果は得られません。

一時的なキャンペーンなどでリードを獲得することは可能ですが、中長期的な企業の成長を狙うなら「継続してリードを獲得できるコンテンツの拡充」は必須です。

運用後もPDCAサイクルを回す

MAツールの運用では、「KGI(重要目標達成指数)」と「KPI(重要業績評価指数)」の設定が大変重要になります。

KGI

KGIとは「目指すべき最終目標」です。具体的には、以下のように数字で判断できる要素を設定します。

  • マーケティング活動で創出する成約率
  • マーケティング活動で創出する売上
  • リードナーチャリングで創出した商談数  など

KPI

KPIは「最終目標への進捗状況を表す指標」です。KGIの下に途中経過目標となるKPIが連なっているイメージになります。MAツール運用のKPIとしては、「URLクリック率」や「保有リード数」などが考えられるでしょう。

KPIを設定すれば、最終目標のKGIを達成できない原因も把握できるようになります。たとえば、「メール開封率」が当初の目標を下回っているなら、「配信するメールの内容を変える」といった、解消すべき問題点に集中した改善策を検討が可能です。

KGIとKPIを設定しないと、MAツールを活用したマーケティング活動の正しい評価もできません。効果を客観的に把握できなければ、「再現性の高い成功シナリオ」を作成できず、中長期的な施策全体が失敗する可能性もあります。

まとめ

機能だけでMAツールを選ぶと、使いこなせず導入に失敗する可能性が高いので注意が必要です。自社の課題を明確にしたうえで、解決に役立つ機能が搭載されているMAツールを選択しましょう。

どのMAツールを選ぶべきか迷ったときには、業界で広く採用されているツールから選択してみるのもひとつの方法です。

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