インサイドセールスでMAツールを活用する方法を徹底解説!
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購買プロセスの多様化によって、従来の外勤型営業とは異なる「インサイドセールス」に注目が集まっています。インサイドセールスは場所を問わず営業活動を行えるため、時間やコストの削減にもつながるでしょう。
ただし、インサイドセールスの成果を上げるためには、マーケティングプロセス全体の整備が求められます。そこで導入を検討したいのが、MA(マーケティングオートメーション)ツールです。
今回は、インサイドセールスの概要やMAツールの機能に触れながら、インサイドセールスでMAツールを活用する方法を詳しくご紹介します。
「インサイドセールス」とは内勤型営業のことです。見込み客のデータベースを基に、電話やメールで営業活動を行います。
取引先に出向く手間がかからず少人数でも展開できるため、導入する企業は増加傾向にあります。なお、取引先を訪問して営業活動を行う従来の方法は「フィールドセールス」と呼ばれます。
インサイドセールスが注目を集めている理由は、主に以下の3つです。
フィールドセールスの展開には多くの人材が必要ですが、少子高齢化や働き方改革などの影響で人材の確保が難しいというのが現状です。限られたリソースで成果を上げるためには、業務の効率化を促進させることが重要となります。インサイドセールスは、このような問題を抱える企業に解決策となり得るでしょう。
インターネットの普及によって、ユーザーは自分で商品の情報を調査し、競合商品と比較検討するようになりました。「購買プロセスの6割以上を営業担当がアプローチする前に決めている」という調査もあるほど、主体は企業から顧客へと移っているのです。
企業側から売り込む従来の外勤型営業は、ユーザーニーズにマッチしなくなってきていると考えてもいいでしょう。
定額で使い放題になる「サブスクリプションビジネス」の急速な広がりも、インサイドセールスが注目を集めている要因のひとつです。
この新しいビジネスモデルによって、ユーザーは導入費用を低く抑えられるようになりました。サブスクリプションタイプのサービスは解約も容易なので、外勤型営業では費用対効果が低く、多くの企業が営業手法のシフトを余儀なくされています。
インサイドセールスには、主に以下のようなメリットがあります。
・営業活動を効率化できる
・興味度の低い見込み客にも継続的にアプローチできる
・移動時間と交通費を抑えられる
外勤型のフィールドセールスでは、担当者が見込み客の選定からアポイントの獲得、訪問、受注までを行うのが一般的でした。しかし、この方法は移動時間や交通費などがかかるため、多くのリソースが必要になるというデメリットがあります。担当者がアプローチできる見込み客の数にも限界があるでしょう。
一方、インサイドセールスは移動の手間がかからないので、取引先の所在地を問わず、少人数で見込み客をカバーできます。優先順位の低い情報収集段階の見込み客に対しても、最小限の担当者による継続的なアプローチが可能です。
MAツールは、効率的なリードの獲得やリードナーチャリングを実現するツールです。多彩な機能を搭載していますが、とくにメールやWebサイトを使ったマーケティング施策に強いため、インサイドセールスとの組み合わせによって大きな効果を発揮します。
インサイドセールスで使えるMAツールの主な機能を、詳しく見ていきましょう。
MAツールは、Webページや各種フォームを作成できる機能を備えています。マウス操作だけで簡単に作成できるため、スキルを持つ人材の確保に悩んでいる企業でも本格的なWebサイトの構築が可能です。インサイドセールスでは十分なリード数の確保が欠かせないので、リードの獲得に役立つ機能は必須と言えます。
リードの興味度を高めるリードナーチャリングでは、リードごとの興味度を把握する「トラッキング機能」や、リードの反応によってアプローチを変える「シナリオ機能」などが役立ちます。このような機能を使えば、リードの興味度に応じた情報を提供する「One to Oneマーケティング」の展開も可能です。
インサイドセールスを効率化するためには、適切なホットリードの抽出とインサイドセールスにパスするタイミングが重要です。
勘や経験則に頼る従来の方法では、ホットリードの選別は困難でした。しかし、MAツールの「スコアリング機能」を使えば、数値で客観的にホットリードを選別することができます。アプローチすべきタイミングと優先順位もスコアで決められるため、合理的な営業活動が実現するでしょう。
インサイドセールスでMAツールを活用する具体的な方法を詳しくご紹介します。
MAツールのアクセス解析機能やトラッキング機能を活用すれば、自社のWebサイトに「どの会社から」「どのページに」「いつ」アクセスしたのかがわかるため、企業単位の顧客リストを簡単に作成できます。
新たな顧客となる企業を開拓できるだけではなく、過去に商談をしたことのある企業の検討状況を察知することも可能です。
「インサイドセールスが架電しても相手が電話に出ない」といったケースは少なくありません。電話に出られない理由はさまざまですが、3回かけてもつながらなければ、その後も電話に出る可能性は低いでしょう。
このような場合は、MAツールの「シナリオ機能」を使って自動的にメールでのアプローチに切り替えるよう設定します。送信するメールの内容は商品の最新情報などにして、返信のチャネルを複数提示するとよいでしょう。「忙しくて電話に出られない」「外出が多い」などのケースでは、この方法で返信があることもあります。
「電話に出ない=興味がない」とは限らないので、シナリオ機能を活用して効果的なアプローチを実現させましょう。
MAツールを活用したインサイドセールスでは、注意したいポイントが2つあります。
インサイドセールスとマーケティングとの間で情報が共有できていなければ、同じ情報を同じ顧客に何度も提供をしてしまう可能性があります。アポイント獲得の情報をフィールドセールスと共有しなければ、商談時の二度手間や顧客の不信感につながるでしょう。
このようなトラブルを防ぐためにも、MAツールの導入時には、マーケティング部、インサイドセールス、営業部門をすべて巻き込んだ議論をして、目標と情報を共有できる体制を構築することが大切です。
MAツールでカバーできる範囲やインサイドセールスの対応領域は、マーケティングプロセスの一部に過ぎません。成約率の向上を目指すのであれば、一部だけなく全体を改善することを意識していきましょう。
リードの数が少ないままインサイドセールスを展開すると、「コンタクトを取る相手がいないまま時間だけが過ぎていく」といった事態になりかねません。
インサイドセールスの立ち上げ前には、十分なリード数を抱えているかどうか、時間をかけて検討するとよいでしょう。リード数が不足している場合は、MAツールとリソースをリードジェネレーションに集中させ、リードの数を増やすところから始めた方が効率的です。
今回は、インサイドセールスでMAツールを活用する方法について詳しくご紹介しました。
業務の効率化や購買プロセスの多様化に対応できる手法として注目を集めているインサイドセールスはMAツールとの親和性も高いため、ツールの導入によって大きな効果が期待できます。
今回ご紹介したMAツールの活用例や導入時の注意点などを参考にすれば、効果的なインサイドセールスを行うことができるでしょう。