メールマーケティングのポイント
メールマーケティングはWebマーケティングの中でも比較的歴史が古い手法ですが、現在でもさまざまな場面で活用されています。まずは、BtoBにおいて、メールマーケティングを実践する上で基本となるポイントをご紹介します。
短期的な施策ではなく、継続的な施策として実施する
BtoBでは購入の必要性が生じてから最終的な購買決定までのプロセスが複雑で長くなるため、メールマーケティングでは、一般消費者向けのBtoCに比べて、BtoBでは短期的な施策だけでは大きな効果を出すのは困難だと言われます。
見込客(リード)にいつ購入の必要性が発生するかが自社側では予測できないため、購買決定までのプロセスに従ってうまく醸成していくことで、効果を生み出せるようにしていきましょう。
目的とターゲットを明確にする
どのようなマーケティング活動でも同様ですが、まずは自社または自部門が想定する顧客像を改めて明確にしておきましょう。
業種や企業規模、地域、担当者の職種などのターゲット像を明確にし、案内するメールの目的に合ったセグメントを行います。
メールマーケティングを行う目的はさまざまです。その時々で注力する製品のプロモーションを行っても良いですし、展示会やセミナーの誘致に積極的に活用しても良いでしょう。
製品のプロモーションの行うのであれば、検討が進んでいる人とこれまで何の接点も無かった人は同じ情報を提供するべきか、セミナーの誘致をするのであれば、開催場所に合ったセグメントになっているか、など、提供する情報とターゲットが合っているかを考慮することでより効果を高めることができます。
効果を測定する
継続的なメールマーケティングを行う上で、必要不可欠なのが、配信結果の分析です。単にメールを送っただけでは、顧客が製品やサービスに興味を持ってくれたのか、どのくらいのニーズがあるのかを探ることはできません。リードの反応を見ながらそのリードがどのような状態にあるのかを把握するとことがとても重要になります。そのためには配信するメールに関連する自社サイトのリンク等を掲載して、クリック結果の計測などを実施して、どのリードがどのようなことに興味があるのかを分析できるようにしておきます。結果を計測できる仕組みを整えて、リードの状態を常に蓄積、分析することで、リードの状態にマッチした訴求を行うことができるようになり、マーケティングの成果や効率も上がって、リードから見ても価値ある情報を提供することが可能になるでしょう。
メール配信システムとは
複数の宛先にメールを一斉に送信して、メールの開封状況や本文内のURLクリック率などを測定するシステムです。設定した時間にメールを送信する「予約配信」や、中には、スケジュールに沿って段階的にメールを送る「ステップメール」などの機能を備えたものもあります。
メール配信システムのメリット
メール配信システムはMAツールよりも機能がシンプルで使いやすく、導入費用も安めです。簡単な設定をするだけで自動的にメールを配信してくれるため、実運用までのハードルが低いというメリットもあります。
メール配信システムのデメリット
メール配信システムは情報の提供が一方的になるため、リードの興味度合いに応じたマーケティングはできません。複数のチャネルに跨るマーケティングの管理にも不向きです。リードの動向や市場の変化などに応じた柔軟な施策の展開は、機能が豊富なMAツールの方が有利でしょう。
メールマーケティングの種類
MAツールやメール配信システムなどを使ったメールマーケティングには、以下のような種類があります。
- メールマガジン
- ステップメール
- シナリオ機能を使ったメール配信
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メールマガジン
商品やサービスに関する情報を自社のタイミングで配信するメールです。主体は企業側にあるため、基本的には「一方的に情報を提供する」というスタイルになります。
ステップメール
ステップメールは、あるタイミングから起算した日数などによって配信するメールです。具体的な例を見てみましょう。
メール配信の起点:資料のダウンロード
- 1通目:ダウンロードの直後
- 2通目:ダウンロードの1日後
- 3通目:ダウンロードの3日後
- 4通目:ダウンロードの5日後
上記のように、設定した日数に応じて自動的にメールを配信します。ユーザーごとの開封状況などは考慮されないので、基本的には全リードに対して一律の施策です。
シナリオ機能を使ったメール配信
メール配信システムにはない、MAツール固有の「シナリオ機能」を使ったメール配信です。ユーザーの行動に応じて次のアクションが変わります。

上図のように、メールの開封や未開封などによるリードの興味度に応じた施策を展開できるため、効率的なメールマーケティングを行うことができます。
メール配信システムからMAツールへの移行が求められる理由
すでにメール配信システムを導入している企業がMAツールに移行すると、マーケティング施策の幅が大きく広がります。MAツールへの移行によって得られる具体的なメリットを見ていきましょう。
リードの獲得数を増やすことができる
メール配信システムがメールを送信できるのは「アドレスが登録されているユーザー」だけです。新たなリードの獲得はできません。
しかし、MAツールは各種フォームやWebページの作成機能、SNSとの連携、Web広告管理など、能動的にリードを獲得できる多彩な機能を備えています。レポート機能を使えばPDCAサイクルを回しながら施策を改善できるため、継続的なリードの獲得数増加にも役立ちます。
リードの興味度合いを高められる
リードごとに異なる温度感に合わせてアプローチを行う「リードナーチャリング」にも、MAツールの多彩な機能を活用できます。アドレス登録者に対して一律のメールを送るだけのメール配信システムでは、効率的なナーチャリングは不可能です。
購買決定までの期間が長期化するBtoBでは、時間をかけた人的なリードナーチャリングに限界があります。人材不足が原因でリードを放置している企業も少ないないでしょう。
しかし、MAツールを導入すればナーチャリングに関わる業務も自動化できるため、人的リソースが限られている中小企業でも大手と同等の施策を展開できるようになります。
購買確度の高いリードを選別できる
MAツールの「スコアリング機能」を活用すれば、購入確度の高い「ホットリード」を可視化して客観的に選別できます。営業担当のスキルに頼ったアプローチでは成果が安定せず、営業の属人化といった問題も生じるでしょう。
MAツールを使えば、スコアの高いリードから優先的にアプローチできるため、営業担当のスキルに左右されにくい安定した成約率を望むことができるでしょう。
まとめ
MAツールには、メール配信システムにはない多彩な機能とメリットがあります。リードの獲得からホットリードの抽出までを含む一連の流れを効率化できるため、メールマーケティングだけに頼らない多彩なマーケティング施策の展開も可能です。
各業務をシームレスに連携させれば、リードの興味度に適した細かいアプローチも実現します。メール配信システムを使ったマーケティングに限界を感じているなら、ぜひMAツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。