リードナーチャリングとは
リードナーチャリングは、獲得した見込み客を育成して購買へとつなげるマーケティング活動です。
BtoBにおけるマーケティングプロセスは、主に以下の3段階に分かれます。
1.リードジェネレーション:見込み客の獲得
2.リードナーチャリング:見込み客の育成
3.リードクオリフィケーション:購買確度の高い見込み客の選別
上記をみてもわかるように、リードナーチャリングは、自社の商品やサービスに対する見込み客の関心を高め顧客へと育てる大変重要なステップとなります。
従来の営業では、セミナーやテレアポなどによる「プッシュ型」のアプローチが主流でした。しかし、この方法はアプローチできる範囲が限定されるほか、多くの人的リソースとコストが必要になるというデメリットがあります。また、アプローチの対象は営業担当の勘や経験によって決められることが多いため、成果に個人差が生じることも少なくありませんでした。
一方、MAツールを活用したリードナーチャリングは、見込み客の興味度合いに適したアプローチを行いながら、中長期的に関係を築くことを目的としています。プッシュ型の営業とは異なり情報の提供が一律にならないため、One to Oneマーケティングの展開も可能です。
MAツールを活用したリードナーチャリングが注目される理由
MAツールによるリードナーチャリングが注目される理由は、主に3つあります。
購買プロセスの複雑化
インターネットやSNSの普及によって、ユーザーが入手できる情報量は膨大で多岐にわたります。気になる商品を見つけたあとも、SNSやネットで口コミをチェックし、比較サイトで価格を比べ、さらに実際の導入例をチェックするなど、複数のチャネルを往来して購入を検討するのが一般的です。
このような状況で興味度合いに合わせた情報提供をしなければ、すぐに競合他社へと関心が移ってしまいます。
成約率の低下
BtoBでは、「リードジェネレーションで獲得した見込み客の9割は商談に至らない」とも言われています。しかし、適切なリードナーチャリングを行えば、継続的なアプローチを通じて中長期的に自社製品への興味度合いを高め、最適なタイミングで営業にパスすることが可能です。
非効率的な営業活動
リードの数が多くても、限られた営業担当が無計画にアプローチしていたのでは、時間とコストが無駄になってしまいます。しかし、このような効率の悪い営業活動を行っている企業は少なくありません。
MAツールには、リードナーチャリングで購買確度を高めたリードを「ホットリード」として自動的に抽出する機能があるため、確度の高い見込み客に絞った効率的なアプローチが実現します。
リードナーチャリングの実践方法
ここからは、リードナーチャリングの実践方法を詳しくご紹介していきます。
web上での行動履歴を収集する
リードの情報は、氏名や所属部署、役職だけではありません。効率的なリードナーチャリングを行うためには、基本的な情報のほかに、リードがWeb上でどのような行動をしているのかを知っておく必要があります。
収集しておきたいWeb上の行動としては、以下のようなものが考えられるでしょう。
- 自社サイトのどのページを見ているのか
- 自社サイトには何回訪問しているのか
- 滞在時間はどのくらいか
- 自社サイトへの流入元はどこか など
MAツールには「Webトラッキング機能」が搭載されているので、リードがWeb上でどのような行動をしているのかを容易に把握することができます。セミナーやイベントなどの「オフラインで獲得したリードの情報」と「Webで獲得したリードの情報」を紐づけて一元管理することも可能です。
セグメンテーションを行う
リードの基本的な情報や行動が掴めてきたら、リードの業界や企業規模、行動履歴などでセグメンテーションを行います。これにより、リードの興味度合いや業種などに特化した情報の提供が実現します。
シナリオの作成
MAツールには、作成したシナリオを自動的に実行する「シナリオ機能」が搭載されています。
簡単なシナリオの例を見てみましょう。
リードの反応 | 次のアクション |
商品案内のメール開封 | 商品の資料を送付 |
一定期間アクセスがない | Webサイトの更新情報を送信 |
自社製品の価格表を閲覧 | 営業担当へのアラート配信 |
アクションの起点は「リードの反応」です。そのため、一律ではなく、リードの関心度合いに応じた「次のアクション」を自動的に実行することができます。これは、Web上での行動を把握できる「トラッキング機能」を搭載したMAツールだからこそ行える施策です。
ただし、シナリオ機能を活用したリードナーチャリングを実践するには、リードの購買行動を促すコンテンツが不可欠となります。購買プロセスのステージによって異なるニーズに合わせたコンテンツも整備する必要があるでしょう。
コンテンツを整備した後は、顧客セグメントに応じたメールを配信してリードの悩みや課題を解消し、自社の製品やサービスに対する信頼へとつなげていきます。
購買確度を見極める
リードナーチャリングには、見込み確度を可視化する「スコアリング機能」も活用できます。スコアリングの具体例を見てみましょう。
メールの開封:5点
メール内のリンクをクリック:8点
資料のダウンロード:20点
このような「行動」に対するスコアリングと合わせて、決裁権のある役職には高いスコアを付与するなどの「属性」に対するスコアリングも行います。
一定のスコアを超えたリードは、MAツールが自動的に「ホットリード」として抽出してくれるため、営業活動の効率化と成約率の向上も実現するでしょう。
まとめ
今回は、MAツールを活用したリードナーチャリングについて、詳しくご紹介しました。
MAツールを導入すれば、複雑化した購買プロセスに対応しながらナーチャリングを行い、営業活動の効率化へとつなげることができます。