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無料セミナーは是か非か? 目的別にセミナーの適正料金を考える

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企業が開催する各種セミナーは、さまざまなタイプや目的のものが存在します。それらは開催目的によって「セミナー自体での売上で事業収益を上げることを目的としたもの」と「直接または間接的に自社の知名度向上や製品/サービスを販売促進につなげるために行うもの」の大きく2つのタイプに分かれます。そのタイプ別にそれぞれセミナー受講料金はどのような基準で設定すべきなのか、考えていきましょう。

「収益を上げるためのセミナー」の受講料金設定の考え方

直接収益を上げるためのセミナーはそれ自体が商品です。従って、商品の価格戦略と同じような発想で受講料金を決めることになります。具体的に値段を決めるのは、「セミナー内容」「開催時間・長さ」「講師の知名度や実績」「受講対象者層」の4つが主な要素です。

セミナー内容

希少性があまり高くなく、受講により得られた知識や体験が直接的には受講者の利益や利得などにつながらないものは、高額の受講料金設定は難しいでしょう。反対にそこでしか聴けない貴重な情報や知識であったり、その内容を活用することですぐに受講者の利益や生活・事業の質向上などにつながるものに関しては、多少受講料金が高くても十分に集客できる可能性があります。また、内容だけではなく、体験型やハンズオン形式、ワークショップ形式などセミナーのやり方に工夫を凝らすことでセミナーの価値を高める取り組みも行われています。

開催時間・長さ

時間が長ければ価値の高いセミナーなのかというと必ずしもそうとは言い切れません。しかし同様の内容であれば時間が長いほど内容が豊富であると多くの人が判断するでしょう。例えば実践的なビジネススキル系セミナーであれば、2時間で10万円は高いと感じられるかもしれませんが、8時間×3日で10万円あればそれほど高いとは感じられないでしょう。

講師の知名度や実績

外部から講師を招聘する場合、知名度が高かったり実績が豊富な講師ほど高い受講料金でも集客可能です。当然ですがそれらの講師は、その分講師料高くなりますので、十分な集客計画と収益シミュレーションを行う必要があります。自社スタッフを講師に据える場合、対象の業界に一定以上精通していたり業績を上げていたりする人物を選び、なおかつSNSなどをうまく活用してブランディングすることで、講師としての地位を確立しつつ知名度を上げていくことも可能です。ただしそれなりの戦略と時間が必要になります。

受講対象者層

セミナー受講料金は、そのセミナーのターゲット層によっても大きく変化します。例えば「新入社員向けのビジネスマナーセミナー」と「富裕層向けの資産運用セミナー」とでは、適正価格が大きく異なることはお分かりいただけると思います。前者の価格設定が高すぎると集客は難しくなりますし、後者の価格が低すぎると却って価値が低いものと判断される恐れがあります。

プロモーション目的の企業セミナーの受講料金設定の考え方

無料セミナーは是か非か?

セミナー自体で収益を上げる立場から考えると、当然無料や非常に安価なセミナーはタブーとされます。しかし、自社の知名度向上や製品などの販売促進を目的としたセミナーは一種のマーケティングやブランディング活動の1つとして考えることができるので、やり方によっては非常に有効な手段となり得ます。

昨今、企業がプロモーション目的で無料セミナーなどを実施することは、すでによく知られています。従って受講者の方もそういった前提でセミナーを探したり、受講すると考えた方がよいでしょう。従って考えなければならないのは、たとえ企業のプロモーション目的のセミナーであっても「行ってみよう」「聴いてみよう」と思わせるような内容でなければ集客が難しく、真の目的である自社製品の販売促進などにはつながらなくなるということです。セミナー内容の詳細にまではこの場で言及することはできませんが、一言で言うと「無料以上の価値」を提供することが必須となります。

プロモーション目的の有料セミナーは禁じ手?

無料セミナーの位置付けに関しては上記で述べたとおりですが、プロモーション目的での有料セミナーは意味が無いかといえば、必ずしもそうではありません。有料セミナーは見込み客をある程度絞り込みつつ集める際に有効な手段となります。お金を出して受講するということは、無料で受講する方よりもプロモーション対象製品やその関連分野に対する興味度合いが高いということです。

セミナー受講者に対しては通常、メールマガジンなどで関係を継続しながら顧客化を狙うことになりますが、有料セミナーの受講者の方が最初の見込み度合いが高いので、その後顧客化できる確率が高くなります。反面、当然ですが受講者の絶対数は少なくなります。これらのことから判断すると、比較的広く多数の見込み客を集めたい場合は無料セミナーを中心にして、数よりも見込み客の質を優先する場合は有料セミナーも活用することが有効だと考えられます。

また有料セミナーによる見込み客集客は、高額な製品や専門的な製品には効率的な手法と言えます。高額製品などの場合は、一般的に見込み客一人あたりのマーケティングコストが高くなるものです。従って見込み度合いが低い相手にマーケティングコストをかけなくて済むという点で、最初に見込み客を絞り込むことがマーケティング全体の効率向上につながります。

まとめ

  • 受講料によって直接収益を上げることを目的としたセミナーは、内容や長さ、講師の知名度、受講対象者層によって受講料金を設定するのが一般的
  • 製品などのプロモーション目的で実施するセミナーは、マーケティング活動として捉えることができるので無料セミナーの実施も有効
  • プロモーション目的のセミナーでは、見込み客を絞り込む目的であえて有料でセミナーを開催することも有効

企業がプロモーション等を目的としてセミナーを開催する場合は、無料・有料に関わらず費用対効果・投資対効果で開催是非の判断をする必要があります。もちろん1回のみのセミナーで投資分を回収できるとは限りませんので、ある程度中長期的なマーケティング施策と併せてその内容や方向性、投資および効果などを捉えるべきです。

[料金] 無料セミナーは是か非か? 目的別にセミナーの適正料金を考える

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