リードジェネレーション(見込み客獲得)での効果的な使い方
マーケティングのファーストステップとも言えるリードジェネレーション。この段階で役立つMAツールの機能は「フォーム、コンテンツ作成機能」と「リード管理機能」「IP解析機能」です。
フォーム・コンテンツ作成機能
検索結果やWeb広告から流入したアクセスを見込み客に転換するには、魅力的なコンテンツと使いやすいフォームが欠かせません。従来はコンテンツの作成に専門的な知識が必要でしたが、MAツールを使えば誰でも簡単に本格的なコンテンツとフォームを作成することができます。
リード管理機能
フォームから獲得したリードの情報はMAツールのデータベースへ自動的に保存されるため、手間や時間をかけることなくマーケティング施策の対象にすることができます。営業部門が独自に管理している顧客情報を共有すれば、マーケティング施策の幅も広がるでしょう。
IP解析機能
「IP解析」を使えば、自社のサイトを閲覧している企業や、その企業が求めている情報がわかります。解析結果に応じてセミナーや展示会の案内などを送付すると効果的でしょう。
なお、IP解析では企業名以外にも、以下のような情報を取得することができます。
- 都道府県
- 市区町村
- 電話番号
- 上場区分
- 設立年月日
- 資本金
- 従業員数
- 業種分類 など
自社サイトを閲覧している企業の規模や業種を分析してターゲットとする企業像を明確にすれば、マーケティング施策の精度も向上するでしょう。
リードナーチャリング(見込み客育成)での効果的な使い方
獲得したリードの受注確度を高める「リードナーチャリング」に役立つ機能も多彩です。ただし、BtoBでは、担当者の購入意欲が導入の決定に直結するわけではありません。企業が導入を決断するまでには、ある程度の時間がかかります。また、導入の意思決定には複数人が関わります。
そのため、「導入の優先順位が決まるタイミングで自社の製品を思い出してもらえるかどうか」が何よりも重要になるのです。従来の人海戦術では見込み客の放置という事態も発生しがちでしたが、MAツールを使えば、全ての見込み客に対して効果的なナーチャリングが実現します。
フォーム・コンテンツ作成機能
フォームとコンテンツの作成機能は、リードナーチャリングの段階でも役立ちます。
まずは、製品やサービスに関するさまざまな情報をまとめた資料を作成して、見込み客に提供しましょう。このような資料を「ホワイトペーパー」と呼びます。
そして、自社サイトから、フォームに回答することでホワイトペーパーをダウンロードできるようにして、ダウンロード用フォームでは、企業名や役職などのプロフィールを入力してもらいます。ソリューションを提供する代わりに、顧客の詳細な情報を入手するわけです。
ホワイトペーパーには、主に以下のようなものがあります。
ターゲット | ホワイトペーパーの内容 |
デジタルマーケティング担当者 | Google Analyticsの基本的な使い方 |
広報担当者 | Googleフォームを使ったアンケートの方法 |
営業担当者 | 効果的な営業活動を行うためのヒント |
ホワイトペーパーは、あくまでも顧客側の視点になった問題解決策の提供が目的です。営業資料のように自社製品のメリットを訴求する内容とは異なります。そのため、見込み客が「自社の情報と引き換えにしてでもダウンロードしたい」と思う内容にすることが望ましいでしょう。
また、ホワイトペーパーは、「製品に興味はないが、ホワイトペーパーの内容に興味がある」という「そのうち客」の情報獲得にも効果的です。
メール配信機能
リードのリストが完成したらメールマガジンを送信します。メールの開封率とクリック率を高めるために、以下のように使い方を工夫しましょう。
- マルチパートメールを活用する
※HTMLメールとテキストメールを同時に送信する方式 - コンテンツは少なめにする(1メール1コンテンツ)
- リンクボタンを目立たせる
- リンクはMAツールで計測できるURLを活用する
使い方だけでなく、メールマガジンの配信頻度も重要なポイントです。配信の頻度が高すぎると「しつこい」と感じられてしまい、配信停止とされる可能性が高くなりますが、あまり間隔を空けすぎると、いざという時に自社の情報を思い出してもらえる可能性が低くなります。BtoB企業の場合は、月に1回程度でも問題はないでしょう。
シナリオ機能
「シナリオ機能」は、見込み客の行動に応じて次のアクションが決まる機能です。従来の方法では全てのリードに同じ内容の施策を行っていましたが、シナリオ機能を活用すれば、見込み客別に異なる効果的なアプローチを行うことができます。
簡単なシナリオの具体例は以下です。

「メールの開封と資料請求をした見込み客」、「メール開封のみの見込み客」、「メールを開封しなかった見込み客」では製品への興味度が異なるため、同じアプローチをしていたのでは非効率的です。しかし、MAツールのシナリオ機能を活用すれば、リードの反応に応じて自動的に次のアクションを振り分けることができます。
リードクオリフィケーション(見込み客選別)での効果的な使い方
リードクオリフィケーションの段階で使うのは、見込み客のアクションや属性に応じた点数をつけて、ホットリードを抽出する「スコアリング機能」です。
属性によるスコアリング
顧客の企業規模や業種、役職などによって加点していきます。従業員数100人未満なら10点、100人以上は20点というようにスコアリングしましょう。役職は係長なら5点、決裁権のありそうな部長なら15点などのように加点します。
行動によるスコアリング
セミナーに参加した見込み客は10点、資料をダウンロードしたら5点、メールの開封は1点などのようにスコアを付けていきます。
スコアリング機能を活用すれば、従来の人海戦術とは異なり、受注確度の高さを数値で可視化できるためアプローチの優先順位が明確になり、営業部門の効率と成約率が向上します。
まとめ
今回は、MAツールの効果的な使い方について解説しました。MAツールには、見込み客の獲得から育成までをサポートする多彩な機能が搭載されています。基本的な使い方が理解できれば決して難しくないので、この機会にぜひMAツールの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。