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シナリオ

MAツールのシナリオ設計とステップメールの使い方とは?

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シナリオ配信は、MA(マーケティングオートメーション)ツールの代表的な機能です。主にリードナーチャリングの自動化に役立ちますが、MAツールを導入すれば、すぐに自動化が実現するというわけではありません。業務を自動化して成約率を高めるためには、適切なシナリオを人的に設計する必要があります。

そこで今回は、MAツールの自動化に欠かせない「シナリオ」や「シナリオ設計の方法」について、詳しくご紹介します。

MAツールのシナリオ配信とは

MAツールの「シナリオ配信」とは、あらかじめ設計したシナリオに応じてメールを配信する機能です。ユーザーの反応によって次のアクションを変えれば、興味度に合わせた施策を展開することもできます。

※メールの開封、未開封などによって次のアクションが変わる

シナリオ配信には、以下のような活用方法もあります。

  • ユーザーが自社ページへアクセスした回数によって配信するメールを変える
  • ユーザーが閲覧したページによって配信するメールを変える
  • 資料をダウンロードしたユーザーに展示会の案内を送付する

MAツールで使うシナリオは人的に設計する必要がありますが、精度の高いシナリオを作成すれば、ユーザーの興味度合いに応じたOne to Oneマーケティングの自動化を実現することができます。

なお、シナリオ使ったメールの配信には、シンプルな「ステップメール」という方法もあります。

ステップメールとは

ステップメールとは、あらかじめ設定したユーザーの「アクション」を起点にして、そこから「○日後」に「どのようなメールを送るか」をあらかじめ設計する配信方法です。

自社ページから資料をダウンロード(アクション)

ダウンロードの直後:1通目「お礼のメール」
資料請求から7日後:2通目「資料が届いたかどうかの確認メール」
資料請求から14日後:3通目「導入事例の紹介」
資料請求から21日後:4通目「展示会の案内」

メールの内容と配信日を決めるだけなので手間はかかりませんが、シナリオの自由度は低くなります。

シナリオ設計の方法

シナリオ設計の基本的なフレームワークは、以下のとおりです。

ターゲティング:誰に
コンテンツ:何を
タイミング:いつ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ターゲティング(誰に)

ターゲティングでは、対象を「誰に」するかを決めていきます。ターゲットの識別条件にはセグメント設計を使うのが一般的です。セグメントとは、年齢や性別などで分けた「同じ属性のグループ」を意味します。

BtoBは、リードを獲得してから契約までに年単位の時間がかかり、製品の購入決定には複数人が関わるため、マーケティングプロセスを複数のフェーズに分けたセグメントを設計しましょう。なお、MAツールの場合は、業種や部署、役職といった「属性」や、トラッキング機能などで測定した「行動履歴」によってセグメントできます。

条件設計で悩んだ場合は、属性ではなく「行動履歴」で設計してみましょう。属性では顧客の正確な興味度を把握できませんが、行動履歴には興味度がそのまま反映されます。アプローチの内容も、行動履歴を軸にした方が決めやすいはずです。

・セグメント設計の例

セグメント条件
情報収集段階資料を請求した
比較検討段階資料のダウンロード&他社との比較ページを閲覧した
セミナー参加セミナーに参加した

上記のようにユーザーの行動履歴で分類すると、興味度に応じたセグメント設計ができるようになります。

最初から精度の高い設計をするのは難しいので、試験的な運用を行いながらデータや他社の事例などを参考にして、少しずつ精度を高めていきましょう。

コンテンツ(何を)

ターゲットとなるセグメントを決めたら、「何を」配信するのか決めていきます。ターゲティングで設定したユーザーに興味を持ってもらえるようなコンテンツを考えていきましょう。

・コンテンツの例

コンテンツ内容
ホワイトペーパー関連分野のガイドブック
Webサイト商品の強みやメリット
コラムユーザーの悩み解消

タイミング(いつ)

「いつ」アプローチするかは、シナリオ設計のなかでもとくに重要です。しかし、時間軸の考え方は一定ではありません。「メールを開封されやすい時間帯」などで考えることもあれば、「資料請求」などのアクションを起点にするケースもあるでしょう。ステップメールを配信するなら「頻度」も考慮したいところです。

ユーザーが望んでいないタイミングでの配信や配信頻度は、自社に対する印象を悪くしてしまう可能性があるので注意しましょう。

シナリオ設計の具体例

ここから、シナリオ設計の具体的な例をご紹介します。

・シナリオの例1

ターゲット導入事例ページを閲覧した見込み客
タイミングページを閲覧した直後
コンテンツセミナー参加の案内
配信方法メール(シナリオ配信)

導入事例ページを閲覧した見込み客は、商品への興味度も高めです。このような見込み客は、直接面談して関係性を深めた方が成約へと導きやすくなります。そこで、導入事例を閲覧した直後に、セミナーへの参加方法を記載したメールを送ってみましょう。

送信したメールが未開封の場合は数日後に再度の送信を、開封されたのに申し込みがない場合は「残席わずか」などと記載したメールを送る、といったシナリオを組み合わせるとより効果的でしょう。

・シナリオの例2

ターゲット半年間行動履歴の無い見込み客
タイミング最終アクセス後180日
コンテンツ新製品の情報
配信方法メール(ステップメール)

自社サイトを訪問していた見込み客が、半年間行動履歴の無い状態となった場合は、ターゲットが再び興味を抱いてくれそうな新製品の情報をステップメールで配信してみましょう。それでも反応がない場合は、そのターゲットを別のセグメントに移した方がいいかもしれません。

まとめ

今回は、シナリオを使ったメール配信や、シナリオ設計の具体的な方法についてご紹介しました。

MAツールを導入すれば、それだけで業務が自動化されるわけではありません。しかし、適切なターゲットやタイミング、配信方法など決めてシナリオを設計すれば、見込み客の興味度に応じたOne to Oneマーケティングが実現します。

導入直後から精度の高いシナリオを用意するのは難しいので、まずは限られた範囲内で試験的に運用し、データや成果を参考にしながらシナリオを追加していくといいでしょう。

[シナリオ] MAツールのシナリオ設計とステップメールの使い方とは?

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